【ISO全般】ISO事務局 管理責任者へのエール(2):ISOの効果を高めていくために

前回は、ISOマネジメントシステムのスタートとなる、マニュアルづくりについてお話しましたが、今回は、実際にこれを業務改善に結びつけるにはどうしたらよいか、考えてみましょう。

ISOの大きな特徴、それは“継続的改善”です。ISOには、半年毎の定期審査や3年毎の更新審査があり、悩まされる方も多いと思いますが、これこそが経営効率、生産性、サービス品質などを継続的に改善できる大きなチャンスとなるのです。

元々、経営システムやマニュアルというのは、一度で完璧なものをつくりあげるのは難しいものです。ですから、定期審査や更新審査の際に、顧客クレーム・現場不良・達成率・目標管理などのデータを集め、評価分析して、弱点、問題が何かを見つけ解決していけば、より最適な仕組みづくりが実現できるのです。

また、実際に弱点、問題が発見されたときに気をつけたいのは、その場しのぎの解決をしないこと。問題原因のレポートには、次のような好ましくない内容を目にすることがしばしばあります。“反省だけを書いている”“言い訳だけを書いている”“指摘事項を別表現で状況説明している”…、これでは、根本的な原因を見つけ出し、問題を解決することはできません。真に問題、弱点を解決するには、規定の改善要否も含めて業務工程などシステム上の欠陥を見つけ出し、根本から軌道修正していくことが必要です。それが、経営改善・業務改善の大きな一歩となるのです。

こうした問題解決の手順、習慣を構築していく中心的存在は、やはりISO管理責任者。通常業務もお忙しいとは思いますが、ISOに注力できる体制をつくり、キチンと取り組んでいただけば、必ずその効果を実感していただくことができるでしょう。


ISO事務局 管理責任者へのエール コラム著者

LRQA ジャパン主任審査員 辻 久男
LRQA ジャパン
主任審査員 辻 久男

プロフィール

大手ゴム・タイヤメーカーにて、開発・設計・工場運営・品質保証などに携わる。退職後、LRQA主任審査員となり、現在は、特別審査、審査員トレーニングなどを行う。 


(掲載日:2007年4月1日)

    

関連コラム一覧 <開く>

コラム

全てのコラムを表示

【自動車機能安全】ISO 26262 - プロフェッショナルが集結して機能安全への視点を徹底解説

自動ブレーキや自律走行システムなど、自動車機構における電気・電子システムの役割が拡大する中で、各アセットメーカーやパーツメーカーもISO 26262(自動車向け機能安全マネジメントシステム)への関心を高めています。このニーズに応え、LRQA ジャパンでは、機能安全のエキスパートがISO 26262 への準拠に求められる視点を解説する「自動車機能安全セミナー2015 春」を開催しました。

【自動車機能安全】ISO 26262寄稿シリーズ(5): ISO 26262の欧州の現状

先日、LRQAの横浜オフィスにLRQAのサポートを受けアジアでのサービスを展開しているMIRA社のデイビッド氏(写真左)と、組込みソフトウェア開発や機能安全規格教育研修の共同開発や実施にご協力頂いている株式会社東陽テクニカの二上氏(写真右)にお越し頂き、ISO 26262関連及びMISRA(Motor Industry Software Reliability Association)に関するミーティングを実施しました。

【ISO全般】規格の経済的価値(6)

規格の経済的価値についての研究結果が、ISO(国際標準化機構)から「規格の経済的価値 (Economic Benefits of Standards) 」 という記事として発表されました。

【CSR】CDPとCSRの新しい潮流(2):CSRの新しい潮流

欧州では非財務報の開示が義務化されるなど、世界的にCSR関連の取り組みが本格化しています。持続可能な調達のガイドライン(ISO 20400)の規格策定委員会のメンバーであるLRQA事業開発部門長冨田秀実が、今企業がCSRにどう対応していくべきかを徹底解説いたします。

【ISO全般】規格の経済的価値(5)

規格の経済的価値についての研究結果が、ISO(国際標準化機構)から「規格の経済的価値 (Economic Benefits of Standards) 」 という記事として発表されました。

【ISO全般】規格の経済的価値(4)

規格の経済的価値についての研究結果が、ISO(国際標準化機構)から「規格の経済的価値 (Economic Benefits of Standards) 」 という記事として発表されました。

【ISO全般】規格の経済的価値(3)

規格の経済的価値についての研究結果が、ISO(国際標準化機構)から「規格の経済的価値 (Economic Benefits of Standards) 」 という記事として発表されました。

【ISO全般】規格の経済的価値(2)

規格の経済的価値についての研究結果が、ISO(国際標準化機構)から「規格の経済的価値 (Economic Benefits of Standards) 」 という記事として発表されました。

【ISO全般】規格の経済的価値(1)

規格の経済的価値についての研究結果が、ISO(国際標準化機構)から「規格の経済的価値 (Economic Benefits of Standards) 」 という記事として発表されました。

【環境】ISO 14001 改定 <DIS発行>(3):LRQAの視点-変更点は何か?

ISO 14001:2004 年版の多くのユーザーにとって新しいと思われる上記事項に加えて、現行の要求事項には、その他多くの表現変更があります。これらの変更はしばしば、特定の箇条の意図を明確にするか、あるいは、不明確な要求事項をより明確にしたものです。

【品質】ISO 9001 改定 <DIS発行>(4):LRQAの視点-次に何をするべきか?

ISO/DIS 9001:2014規格改定原案では、沢山の変更があります。これらの変更点を反映して、組織がマネジメントシステム変更を必要とする度合いは、現行のマネジメントシステムを組織がどのように開発し、使用しているかによって程度は異なってきます。本コラムでは「次に何をするべきか?」について解説いたします。