【苦情対応】CSM(CSマネジメント)の常識(1):客観性 間違った取組をしていないか

企業はCS・ISOなど様々な取組をしているが、なぜか各種トラブルを生んでいる。今回はその背後に潜んでいる諸要素と本来の企業活動の在り方をデータに添ってご案内する。

取組は作業レベル?戦略レベル?

「当社はCS・ISO・QC・コンプライアンス・CSR・J-SOXなど各種課題に熱心に取り組んでいる」という話はよく耳にする。
しかし商品・サービスに関わるクレームをはじめ、マスコミ沙汰になるトラブル、事件・事故を引き起こした企業が当の取組をしていたという例が多いのもまた事実である。この矛盾は一体どうして起こるのだろうか。 各施策に熱心に取り組んでいる企業・組織を観察すると、そこには共通する諸要素が浮き彫りになってくる。

  1. タテ軸意識が強くヨコ軸との関わりが薄い組織。
  2. 研究会・委員会・マニュアル作成などの取組みが単独課題、点の活動になっていてCS活動と連動していない。
  3. 企業の保身、組織の都合優先で、「顧客のため」「顧客基盤の経営理念と一体の活動」という要素が欠落している。
  4. 取り組み実態は処理型、事務的、無機質で人間的な温もり感が不足。
  5. マニュアルや社内規約など形さえ作ればそれで終り、の形式主義。
  6. 立派な額入りの洗練された理念は存在するが、「絵に描いた餅」で、理念と実態とが遊離し、組織のDNAになっていない。

結局のところ「業務処理型」で、「付加価値創造」につながらない作業レベルの取組が中心であり、顧客基盤の客観性・公平性と戦略レベルの取組が欠如している。

クレーム・クレーマーが増加している

顧客不満足度調査(当社開発の調査手法)を各社の要請により実施している。そのデータは年間最低有効回答総数約十万である。
バブル経済崩壊後のデータを分析すると、一つの特徴としてクレーム・クレーマーが増加している様子を見る(ただしクレーマーは1パーセント以下)。乱暴に言えば、「クレームの約99%は企業にその原因があって発生している」ということになる。やはり同じ調査によると企業に届くクレームの比率は日本では 1~3%であり、97~99%の顧客不満は企業に届いていない。企業が顧客の本音を知らない実態が垣間見える。 さて今回の連載は、ISOの審査登録機関であるロイド・レジスタークオリティアシュアランスリミテッド社が「ISO 10002とCSとの関係性が理解されていない」ことを憂いていることから始まった。 従って主としてクレーム課題に添い、理論と実践の基に現場志向で内容を進めていく。



CSM(CSマネジメント)の常識 コラム著者

株式会社武田マネジメントシステムス 代表取締役 武田 哲男
株式会社武田マネジメントシステムス
代表取締役 武田 哲男


プロフィール

銀座・和光勤務以来、一貫してサービス品質・CS経営に取組み現在に至っている。「顧客不満足度調査」「CS・サービス向上研究会(28年目)」など理論と実践面の取組は多くの企業に支持されている。著書多数。 


(掲載日:2008年7月10日)

    

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