【苦情対応】CSM(CSマネジメント)の常識(3):公開性 分かりにくいと言われませんか

うやむやにする体質

クレームの原因追及は大切だが、企業によっては“犯人さがし”に向かう。
これは「他人の不幸は自分の幸せ」とばかり努力しないで自身の生き残りを目指すドングリの背比べ組織に多い。減点主義企業における共通特性でもある。
何事か問題が発生すると、何回も会議を繰り返し、結局は「皆が悪かったのだ。全員の責任」と問題点をうやむやにしてしまう特性はお役所的体質と呼ばれているものだ。
だからこのような企業では

  1. マイナス要素は極力表面化しないように力を注ぐ
  2. 改善・革新・創造的な前向きの活動には取組まない
  3. 自分たちの都合に合わせた組み立てを行い、顧客を埒外におく。

顧客不満足度調査に寄せられた顧客の『要望』『困っていること』『不満』を解決するために部門・部署・担当者に要件を振り分けると、平均して約40%が宙に浮いてしまう。
つまり常に顧客の求める要件の40%が無視されているのである。
しかし心ある企業はその浮いた40%の課題解決のために組織・人事異動を行う。
この差がトラブル、事件・事故に及ぶ企業か、顧客満足・社員満足につながる組織かの分かれ道でもある。

クレームの公開性

ハインリッヒの法則ではないが、トラブル、事件・事故は突然降ってわいたように発生するわけではない。通常は何らかの予兆がある。
例えば現場担当者が「すいません」「申し訳ない」と謝っている内容は、どの企業も何となく分かってはいても量的な把握をしていない。調査を実施し定量把握を行うと、実際には同じ事が繰り返されていて顧客の意識が爆発寸前になっているなどという実態に直面する。
定点観測で調査結果を整理し、過去の実態をベンチマークとしてホームページや情報誌などを活用し、顧客の『要望』『困っていること』『不満』がどれだけ解決したかを告知すると好感が持たれる。その証拠にアンケートの回収率は年を追って上昇し、業績も向上する。
さて、顧客の持つ課題解決を図ると必ず次の課題が発生する。企業としては無限の取り組みとなるが、それに伴って企業力が増し、体質改善に貢献する。
また意図的に良質な情報発信をすると顧客から電話を初めとする各種の方法で良質な情報の提供がなされる。不満に関わる調査の場合、調査票の回収率が上昇する。だから積極的に顧客に呼びかけ、本音を聞かせてもらい社内外共に風通しのよい企業風土、企業環境を醸成することである。


CSM(CSマネジメント)の常識 コラム著者

株式会社武田マネジメントシステムス 代表取締役 武田 哲男
株式会社武田マネジメントシステムス
代表取締役 武田 哲男


プロフィール

銀座・和光勤務以来、一貫してサービス品質・CS経営に取組み現在に至っている。「顧客不満足度調査」「CS・サービス向上研究会(28年目)」など理論と実践面の取組は多くの企業に支持されている。著書多数。 


(掲載日:2008年7月24日)

    

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