【苦情対応】CSM(CSマネジメント)の常識(6):料金 そのサービスは有料にできるか

コストダウンに関わるロスコストの実態

前回で挙げた問題点「コストを下げて品質低下」「スピードアップを進めて雑にする」「短絡化を図り付加価値を失う」により、企業は多大な無駄なロスコストを生み続けている。

(1)営業担当者

  1. 顧客のところに行ってお詫びをする。その間は営業活動を行っていない。だから売上は増えない。
  2. 新品と交換する。
  3. トラブルの箇所をカセットで交換する。
  4. 部品を交換する。
  5. 以上で要する経費は全て無料として営業経費で賄う。
  6. 発売即トラブルの新商品という構図から営業担当者達はしばらく様子を見てから販売ようという意識に陥る。
  7. 直接・間接に関わるロスコストは増大の一途をたどるが、設計・開発・工場・トップはその実態を知らない。学習していないから同様のことが引き続き発生する。

(2)サービス(修理)担当者

  1. トラブルが発生しないようにするための定期点検など前向きの本質サービスは次々に発 生する商品トラブルのために後れを取る
  2. 出張費、技術料、修理代金などの費用は無料としてサービス部門の経費でカバーする。
  3. 何回直しても同じ箇所が故障するケースは実際には商品の持つ品質問題なのだが、顧客からは「サービス担当者の技術力不足、能力がない」と判断され嫌気を誘う。

本来のサービスは有料

以上に関わる直接・間接経費、売れば売るほど再購入されなくなる顧客自体を消費してしまう活動、営業・サービス担当者のマインド喪失などにつながる。膨大な損失である。下手なコストダウンが招く数々のマイナス要素は、コストダウンの金額を遙かに超える。

事実、全てのロスコストを挙げ課題解決を計った結果、大幅黒字に転じ顧客の信頼を得た例はいくつもある。

結局のところ

(1)安くても、無料でもトラブルが多ければ信用・信頼を失い顧客の離脱を招く。

(2)ロスコストを価格などに転嫁して顧客に払わせ続けることは罪悪であり、企業衰退につながる。

(3)有料でも価値が伴えば継続購入につながる。

(4)サービスの有料化ステップ

  1. 全ての無料、値引きなどを明確にする。
  2. 本来は有料であるべき項目を挙げる。
  3. 有料化の順位を決める。
  4. 社内で無料サービスの有料化と抵抗勢力対応策を発表し賛同を得る。
  5. 社外に発表する。
  6. 実施する。



CSM(CSマネジメント)の常識 コラム著者

株式会社武田マネジメントシステムス 代表取締役 武田 哲男
株式会社武田マネジメントシステムス
代表取締役 武田 哲男


プロフィール

銀座・和光勤務以来、一貫してサービス品質・CS経営に取組み現在に至っている。「顧客不満足度調査」「CS・サービス向上研究会(28年目)」など理論と実践面の取組は多くの企業に支持されている。著書多数。 


(掲載日:2008年8月14日)

    

関連コラム一覧 <開く>

コラム

全てのコラムを表示