【苦情対応】CSM(CSマネジメント)の常識(7):応答性 顧客にとって情報とは

『苦情』と『情報』の持つ意味

日本語では『苦情』の一言だが、実際にはClaimとは「顧客にとって当然の権利要求」「主観的な実証データによる損害賠償請求」「商品・サービス品質に関し、企業・提供側に原因があるために申し立てる顧客の不満」「顧客の心理的な怒り」「顧客からの貴重な情報提供・プレゼント」という意味がある。 一方、Complainは「不平・不満・苦情の種、ブツブツ文句をいう」、Complainantは「苦情申し出者、不平を言う」、Complaintは「広義にとらえた苦情」という解釈である。しかし、顕在化する『苦情』は米国で4%。だから潜在化している96%の情報をどう捉え、どのように解決を図るかは大切な要件となる。
さて日本語の『情報』という表現には各種の意味が含まれている。
例えば食品スーパーで「肉・魚・野菜などを購入した」は「データ」=「素材」の入手となり、冷蔵庫にしまうのはデータベースでの保存。家族から「今日は和食、明日は洋食が食べたい」という要望を耳にした場合、これはインフォーメーション即ち情報で、どんな味付け、料理方法かを要望された場合、インテリジェント、隠し味・調理技術の説明はナレッジ、好きなクラシック音楽を聞きながら陶磁器で料理を楽しんだ場合はセンス-という具合である。
さらに食後、「素材があまり新鮮ではなかった」「味付けが少し濃かった」「食器が料理に合わなかった」などの感想は情報として次に活かす必要がある。

無機質で事務的な対応

しかし「うるさくて嫌な奴だ」「限られた予算なのに無理難題を言う」「だったら自分で作れ」などと捉えたら今後の良質なコミュニケーションや企業の発展形態は臨めない。
覆面調査で各社のコールセンターに連絡すると、ほとんどの場合「貴重なご意見をありがとうございました。今後は気をつけます」という慇懃(いんぎん)で事務的なマニュアルどおりの返事がかえってくる。少なくとも解決する意識は感じられない。その証拠に名前、連絡先などは尋ねられない。
例えば食品に異物が入っていたケース。メーカーは「着払いで現物を送り返して欲しい」「分析して返事する」ということで、後から代わりの商品と自社で分析した「身体に害はない異物だった」というワープロ打ちの素っ気ない報告書が届くだけ。これで一件落着となり、出来事は開示されない。もしかしたら命や健康にかかわるかも知れないのに、のんびりした対応で今後の在り方も報告がない。 



CSM(CSマネジメント)の常識 コラム著者

株式会社武田マネジメントシステムス 代表取締役 武田 哲男
株式会社武田マネジメントシステムス
代表取締役 武田 哲男


プロフィール

銀座・和光勤務以来、一貫してサービス品質・CS経営に取組み現在に至っている。「顧客不満足度調査」「CS・サービス向上研究会(28年目)」など理論と実践面の取組は多くの企業に支持されている。著書多数。 


(掲載日:2008年8月21日)

    

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