【苦情対応】CSM(CSマネジメント)の常識(12):方針 夢とロマンと志

トップのクレームに対する方針

「貴方の夢・ロマン・志を聞かせて下さい」と尋ねると、企業のトップですら目を白黒させてその場で一所懸命に考えながら語る人がいる。しかしどうも迫力と情熱が感じられない。その場しのぎの作文だからである。
こうした企業ではほとんどの場合、社員にも夢・ロマン・志がない。
ついでだが、そういう企業ならびに社員には『気づき』『気配り』『気遣い』が不足していて、「あるのは単にノルマだけ」という笑い話ではすまない実態が見え隠れする。
さてハツカネズミが輪を回している姿がある。喜んで遊んでいる時は、あの歩幅で1日に1キロ以上も走ることがあるそうだ。ところがモーターで輪を回し、そこにハツカネズミを入れると数百メーターで死んでしまうという話を記憶している。これは目標がない、夢・ロマン・志がない状況ではどうなるかという話と重なってくる。
クレームに関しても方針や理念が明確でない企業は多い。それどころか、クレーム部門を左遷の場として「後はともかく上手くやれ」と突き放し、サポートしないマネジメントも存在する。こうした企業に明日はない。
というのも、現在はCRMセンター(顧客との良質で永いご縁を創造する顧客情報管理システム)の運営、「不満足度調査」の実施などにより、顧客の『要望』『困っていること』『不満』をキャッチし、要求される前に良質サービスを提供している企業が顧客から支持されている。先進国のサービスは顧客に要求される前に提供することである。

とりわけ大切なのは顧客の不満を知ること

成熟・飽和時代に目一杯持ちたいだけの商品を持ち、各種サービスを体験している顧客に対して、「意識下に潜んでいる何かを教えてください」と尋ねても顧客は答えられない。
その何かを把握するために顧客情報、主として不満足を「集める」「蓄える」「活用する」の三要素が大切であり(CRM)、顧客の不満を知ることは顧客の要望を知ること(顧客不満足度調査)が必要である。ともあれ「現状把握型調査」「事後対応活動」をしていてもあまり意味がない。「問題解決型調査」が役立ち「人間ドック方式」ではなく「精密検査方式」「カスタムメイド方式」が効果を上げている。顧客満足の点数を知って喜んでいるのはトップとトップ層および担当者であり、「非常に満足」にマークした顧客にも不満は多く蓄積されている。クレーム・不満が企業を強くする。  



CSM(CSマネジメント)の常識 コラム著者

株式会社武田マネジメントシステムス 代表取締役 武田 哲男
株式会社武田マネジメントシステムス
代表取締役 武田 哲男


プロフィール

銀座・和光勤務以来、一貫してサービス品質・CS経営に取組み現在に至っている。「顧客不満足度調査」「CS・サービス向上研究会(28年目)」など理論と実践面の取組は多くの企業に支持されている。著書多数。 


(掲載日:2008年9月25日)

    

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