【鉄道】鉄道産業の現状と国際標準(2):IRIS規格、要求事項の概要

IRIS規格(International Railway Industry Standard‐国際鉄道産業標準)は、品質マネジメントシステム規格のISO9001がベースとなって作られています。また、認証のプロセスと審査方法に特徴があるため、これらの内容を各々第1章及び第2章で説明し、最後の第3章でシステム要求事項(0項~8項)を述べています。さらに、鉄道製品分類を示した『IRIS適用範囲』や、『IRIS審査工数』など、7件の附属書を加えて規格は構成されています。

第1章の『IRIS認証プロセス』は、審査登録機関及び審査員への要求事項、並びに認証取得のためのプロセスの説明がメインになっています。初めての認証審査は、レディネスレビュー(第1段階)と現地審査(第2段階)とに分けられており、レディネスレビューではあらかじめ設定された12問の『ノックアウト・クエスチョン』(附属書5に記載されている)から、適用を受けるものについて回答しなければなりません。ここでの質問に満足に答えることが出来ないと文字通り『ノックアウト』となり、次の現地審査に進むことが出来なくなるどころか、もう一度レディネスレビューからやり直すことが要求されます。また、認証登録は生産事業所に対してのみ行われますが遠隔地にある支援機能(例えば、エンジニアリング、セールス、倉庫など)も審査を受けることが求められます。

第3章のシステム要求事項は、鉄道業界の独自色を示した業界特有の品質要求事項を加えた内容になっています。それらは基本的に、“shall(しなければならない)”と“should(することが望ましい)”の2種類で表現されており、“should”の自身のシステムへの取り込みは自由な扱いになっています。 

  1. スコアリングシステム
    これまでのマネジメントシステム規格と大きく違うのは、審査でスコアリングシステムを採用していることです。審査員はIRISの定められた質問表により、合計約260問の質問を組織に向かって行い、確認したシステムの実施状況から組織を点数評価します。最終的に合計されたスコアが、適用される質問数に対する閾値(合格点)を満たしていることが認証登録書の発行される条件となります。先にあげた“should”の用件を多く取り込んでおくことも高得点を得る要素になっています。 

  2. RAMS/LCC
    中でも特徴的といえるのが、信頼性・可用性・保全性・安全性(RAMS)の管理を首尾一貫したプロセスで取り組めるRAMS規格の適用や、ライフサイクルコスト(LCC)をモニタリング要求事項などが盛り込まれていることです。さらに、ナレッジ・マネジメント、プロジェクトマネジメント、技術安全方針と安全目標の設定など、独自の内容が多く盛り込まれています。 


(掲載日:2010年4月6日)

    

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