【ISO全般】LRQA ジャパンの“ビジネス アシュアランス”。

LRQA ジャパン テクニカルグループマネジャー 伊藤 純嗣


LRQA ジャパン
テクニカルグループマネジャー
伊藤 純嗣

ISOの認証取得から時間が経つにつれ、マネジメントシステムでもっと成果を生み出したいとお考えの企業も多くなっています。こうした中でLRQAジャパンでは、審査を通じて「組織の事業目的・目標達成に確信を与える=“ビジネス アシュアランス”」というコンセプトのもと、審査を提供しています。ビジネス アシュアランスによって、目に見える改善と価値を、ぜひ実感していただきたいと考えています。

“成果を確信いただける審査”を目指して

ビジネス アシュアランスを具現化する審査ISO 9001は2000年版でその基本的な考え方が、品質保証から品質マネジメントシステムへと大きく変わりました。これにより、審査機関には、単に規格の要求事項への適合性を審査するだけではなく、マネジメントシステムの有効性を審査することが求められるようになりました。また、ISO 9001の認証取得から時間が経つにつれ、“システムはもうできあがっているから、システムの効果的な使い方を知りたい”あるいは、“もっと積極的に活用して、さらに成果を生み出したい”とお考えの企業も多くなっています。

一方、世界最大規模のマネジメントシステム審査員国際登録機関であるIRCAのフォーラムでは、成果を生み出す審査を行うために、審査員には“お客様のビジネスを理解している”“トップマネジメントと話ができる”ことが必要だと話し合われました。

こうした状況の中で、LRQA ジャパンでは、お客様のビジネスを理解して真に重要と捉えていることに焦点を当てながら、マネジメントシステムの有効性を判断することで、「組織の事業目的・目標達成に確信を与える=ビジネス アシュアランス(Business Assurance)」というコンセプトのもと審査を実施しています。

“ビジネス アシュアランス”を具現化していくために

ビジネス アシュアランスでは、お客様の成果として“マネジメントシステムが事業リスクを配慮して設計されているという確信”“事業プロセスがステークホルダーの要求する成果を生むという確信”“経営者の継続的な改善が可能であるという確信”をもたらすことを目指しています。

このビジネスアシュアランスを具現化していくために、LRQA ジャパンでは、2000年頃から、審査報告書を3段階に体系化した“Eレポート”や、継続改善シート“CIログ”などのサービスを順次提供してきました。さらに、2007年からは従来の定期審査の方法を変え、“FABIK(重点課題審査:Focused Assessment on Business Issues and Kaizen)”を導入。そして、2010年からはリスクベースのアプローチ審査をスタートしました。こうした審査手法によってお客様の経営リスクを最小限に、パフォーマンスを最大限に発揮するシステムにしていただき、目に見える改善と価値を与えるビジネスアシュアランスを提供していこうとしているのです。

ビジネス課題を重点審査するFABIK

まず、2007年からスタートしたFABIKでは、定期審査の前に事務局、経営層の方々と、お客様のビジネスにおける課題について議論し、経営層の方々が感じている課題に焦点を当てて、審査を行います。そして、その課題に対する組織の対応状況について客観的に評価して、審査結果報告を行っています。

例えば、品質不良の低減が課題となっている企業があると、品質不良に関連する設計部門、製造部門などを重点的に審査して、その部門に潜んでいるリスク、弱点をあぶり出していきます。これまでのように規格の要求事項への適合性を審査する場合、マネジメントシステムが成熟している企業では、定期審査での指摘事項も減ってくるでしょう。しかし、FABIKのようにテーマを絞って審査すれば、より重点的かつ深掘りした審査を行うことができ、リスクも見つかりやすく、より意義のある指摘ができます。また、審査によってリスク、弱点を把握していただければ、自ずと次の対策が見えてくるでしょう。

潜在的なリスクを見える化するリスクに基づくアプローチ審査をスタート

組織の事業目的、成果までに発生する阻害要因さらに、ビジネス アシュアランスというコンセプトをより具体化していくために、2010年にスタートしたのが、リスクに基づくアプローチ審査です。FABIKがあらかじめ経営層の方々が感じていたビジネス課題について審査するのに対して、リスクに基づくアプローチ審査は通常の審査を行いながら、どんなビジネス課題が潜んでいるかをお客様と一緒に探していくというものです。また、FABIKが現場運営レベルのビジネス課題を対象としていたのに対して、リスクに基づくアプローチ審査ではお客様のビジネス環境を包括的に視野に入れながら、全社経営レベルでのビジネス課題を対象としています。

例えば、組織には“ビジネスの仕組み=システム設計”があり、そこから“成果=パフォーマンス”例えば顧客満足や売上げの向上が生まれていきます。しかし、成果をあげるまでのプロセスの中には、様々な阻害要因があるでしょう(図-2参照)。

リスクと不確実性疲弊した企業風土、プロセスの不具合といった内部的阻害要因。また、株主の要求や景気の動向といった外部的阻害要因も、もちろんあります。リスクに基づくアプローチ審査を通じて、こうした阻害要因、リスクをあぶり出していくのです。 

見えないリスクに対して問題が起こった場合、その損害が大きなものとなりがちです。しかし、潜在的なリスクを見える化して、問題発生を想定し、それに対処できる体制にしておけば、何らかの問題が発生した際も損害を最小限にすることができます(図-3参照)。リスクに基づくアプローチ審査では、こうしたリスク管理をサポートしていきます。


目に見える改善と価値を提供するLRQA ジャパン

ISO 31000 リスクマネジメントモデルLRQA ジャパンではリスクに基づくアプローチ審査を行うに当たり、ISO 31000のリスクマネジメントモデルのアプローチを活用しながら審査を行っています(図-4参照)。ISO 31000は組織のリスク状況を特定して、リスクの重要度を判定して優先度の高い順から処置していくためのプロセスを定めた仕組みです。これをベースにリスクを念頭におき“悪化の原因は何か?”“問題が発生したときの対応策は?”といった質問をしていくことで、お客様ご自身とともにリスクを見出していきます。また、理解しやすいカンタンな言葉で質問をしていきますので、お客様も質問に答えやすく、リスクがより顕在化、明確化しやすくなります。

もちろん、どんな企業でもリスクを注視していると思いますが、リスクに基づくアプローチ審査は、お客様自らが適切なリスクアセスメントの手法を理解し、社内で実践していく足がかりになるでしょう。さらに、第三者の視点で定期的に審査を行うことで、その見直しをかけていくことができるのです。

今後、LRQA ジャパンでは定期審査だけではなく、初回審査、更新審査でも常にリスクに基づくアプローチ審査の手法で審査を行っていきます。さらに、経営層の方々が感じられている顕在化したビジネス課題がある場合には、更新審査をFABIKで行うこともできます。

LRQA ジャパンでは、こうしたFABIK、リスクに基づくアプローチ審査を通じて、単なるマネジメントシステムの審査登録機関から、組織に対して目に見える改善と価値を与える、ビジネスアシュアランスの提供者へ進化しようとしています。今後のLRQA ジャパンの審査による成果の実感を、ぜひご期待ください。


LRQAジャパンの審査コンセプト

【ビジネス アシュアランス】

組織の事業目的・目標達成に確信を与えること。
LRQA ジャパンは、「単なるマネジメントシステムの審査登録機関」から「目に見える改善と価値を与えるビジネス アシュアランスの提供者」へ進化しようとしています。


(掲載日:2010年12月17日)

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