【事業継続】セキュリティ(6):BCMSと利益保険

今回は、利益保険を考えていこうと思いますが、まず、概要を損害保険会社各社のウェブサイトから確認しました。

基本的に、利益保険や営業継続保険は、火災保険に特約として追加するようになっている損保会社が多いと思われます。

補償の対照となる事故としては、各社ともfほぼ同じ内容となっています。損害保険会社によっては対象の災害を付加する、あるいは、対象から削除することにより保険料を調整することが可能なようです。補償する期間、補償する費用の考え方は、各社異なります。
対象の事故災害は、火災、落雷、破裂・爆発、風災、雹災、雪災、給排水設備事故、騒擾、労働争議、航空機・車両の衝突等、建物外部からの物体の衝突、盗難、水災などがあります。基本的に地震は対象外のようですが、損害保険会社によっては特約で付加できるところもあるようです。

BCMに関係する保険や保険の特約には、以下の3種類があります。

利益保険:
本来利益がでている事業で、事故により事業が中断、または休業(罹災)した場合に減少した利益に対して、事前に決めた割合で保険金が支払われる保険です。保険会社によっては利益の減少を防止する費用を含む場合があります。収益の減少を営業継続保険で支払うようになっている損害保険会社もあります。 支払われる金額、期間は各社、事前の取り決めによってきめており、サプライチェーンの被災による営業利益の損失をカバーする保険もあります。

営業継続保険:
営業を継続するために、再開店や開業の費用、収益減少防止費用や、追加で必要となる臨時費用を補償する保険もあります。

賠償保険:
自社に起因する活動などで発生した損害を補償する保険で、保険が支払われる範囲は、業務や施設、および他人の身体や他人の財産が対象になります。

この3種類を踏まえて、「BCMS*を構築していると、利益保険や営業継続保険などの加入にメリット(具体的には保険料の割引など)があるか?」を、個人的に懇意にしていただいている損害保険会社様に確認させていただきました。
その結果、現在は、BCMSの構築をもって保険料を割り引くことはまだしていないとのことでした。また、他社のウェブページを見る限りでは、他社にもそのような特約はありませんでした。ただし、今後は、BCMSの導入により、日本政策投資銀行の防災格付け融資のような流れが取り入れられることも十分考えられるようです。

* BCMS:事業継続マネジメントシステム
2006年11月、事業継続マネジメントのベストプラクティス集ともいうべき、BS(英国規格)BS 25999 Part1が発行されました。 さらに、2007年11月には認証規格として、BS 25999 Part2が発行されています。ISO(国際規格)は、2012年の春くらいまでにISO 22301として発行される予定です。

最近の損害保険では保障内容の着脱が自由になっていますので、被保険者の保険に対する知識により、自社に適した損害保険を低コストで契約することも可能になっているようです。保険の見直しを有効なコスト削減につなげることができそうです。場合によってはBCMSを構築されていることにより、賠償保険に考慮され、費用を抑えることが現時点でもできるかもしれません。

事業が停止しているときの利益、復旧までの費用、それらの再調達期間と事前準備の費用、保険の割引などを併せた検討や、貴社が受容できるリスクは何か、保険でまかなえる範囲はどこまでかなど、BCMSの仕組みを構築して認証取得することにより組織内でBCMSの仕組みをつくりあげ、BCMSで対応する範囲を明確にすることとあわせて、保険による対応の活動範囲を明確にすることにより、さらにBCMSを効果的に運用することもできるようになります。


(掲載日:2011年9月14日)

    

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