【ISO全般】企業経営とマネジメントシステム(2):ビジネス・マネジメントシステムの見える化

マネジメントシステムを構築、運用し、改善していくことが、何故重要なのでしょうか。一つの側面として、組織のアウトプットとなる製品やサービスの質、また組織からの排出物、そして組織内での安全衛生、さらに組織の不祥事等々、これらはすべて組織のマネジメントシステムに原因を辿ることができるからと言うことができます。

Value Eye(Vo.13)では、企業は何らかの仕組みがなければ、経営が成り立たないため、ISO 9001規格に基づく品質マネジメントシステムのように見える化されていなくても、どのような組織でも、経営を動かす仕組み“ビジネス・マネジメントシステム”(図-1)は、必ず持っている、ということをお話しました。

そこで今回は、ビジネス・マネジメントシステムの全体の枠組みを見える化することについて取り上げます。

「ビジネス・マネジメントシステム」と「ISOマネジメントシステム」

Value Eye(Vo.13)では、“システム(system)”の特徴としては以下の3点について述べました。

  1. ”全体として目的を持っている。”
  2. “二つ以上の要素から成り立っている。”
  3. “それらの要素がうまく関係し合うようにそれぞれの機能を果たす。”

マネジメントシステムの要素をプロセスと読み替えると、ISO 9001:2008の4.1「一般要求事項」のa), b)(下に抜粋)は、正にマネジメントシステムについて規定していることがわかります。

ISO 9001:2008の4.1一般要求事項
a) 品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織への適用を明確にする。
b) これらのプロセスの順序及び相互関係を明確にする。

さて、ISO 9001の4.1「一般要求事項」のa)~f)の要求事項を満たすために、認証を取得する、または取得している組織は「品質マネジメントシステムの計画」(ISO 9001 - 5.4.2)を立案することになり、顧客の要求事項に始まり、それを満たす製品・サービスの提供までのプロセス、そして改善のプロセスが決まってくることになります。

ところで、品質マネジメントシステムとは目標を達成するためのシステムであることから、システムの中では必ず品質目標が設定されることになります(ISO 9001 - 5.4.1)。この品質目標は事業計画で策定された事業目標から展開され、事業計画は必ず戦略を含むことから、そこから展開される品質目標にもその戦略が反映されることになります。

従って、品質目標を達成するための「品質マネジメントシステムの計画」は、戦略的な計画立案ということになります。(ISO 9001の0.1序文(一般)において、「品質マネジメントシステムの採用は戦略上の決定であることが望ましい。」とあるのはこのことを言っています。)

品質マネジメントシステムを包含する「組織全体のビジネス・マネジメントシステム」を考えた場合、上記のように品質目標は事業計画から展開されることから、ISO 9001の4.1のa)から f)で特定されたプロセスの一段上位のプロセスをISO 9001のプロセスの考え方を利用して特定することは、組織のマネジメントシステムを見える化する上で役に立つと思われます。

下の図は、一つの典型的なその上位プロセスの例を示すものです。

上位プロセスの例

この上位のレベルのプロセスにも、ISO 9001、ISO 14001、OHSAS 18001の要求事項が参考として記載されています。(各プロセスの横に赤色、緑色、青色でそれぞれISO 9001、ISO 14001、OHSAS 18001の要求事項を示してあります。)

そして、このレベルの下位のプロセスでは、ISO 9001の認証を取得している組織で見られるように、具体的なプロセスが明確にされています。(例えば、マーケティング、営業、人事、製品実現等プロセスとなります。)

また、2014年後半(または2015年)に予定されているISO 9001の改定では、リスクマネジメントの要素が導入される予定(ISO Guide 83)ですが、品質マネジメントシステムの計画においてプロセスが特定され、見える化されていれば、このような要因によるシステムの変更(ISO 9001-5.4.2b)も行い易くなると思われます。

このように、ISOマネジメントシステムは、組織のマネジメントシステムを見える化し、ビジネスマネジメントシステムを補強するものとして活用することで、業務の効率化につながり大きな成果を生み出すことができます。

(掲載日:2012年3月2日)
   

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