【食品安全】食品産業の課題(3):GFSIの考え方とFSSC 22000の活用状況

食品安全マネジメントシステムに関し、TCGF(The Consumer Goods Forum)とかGFSI(Global Food Safety Initiative)、FSSC 22000(Food Safety System Certification Scheme)という言葉をよく耳にしませんか?

TCGFはEmerging Trends、Sustainability、Safety & Health, Operational Excellence, Knowledge Sharing & People Developmentを戦略的課題とし、グローバルな流通企業や食品メーカーが参加して2009年に発足した任意団体です。この団体が掲げる戦略的課題の内、Safety & Healthの活動の中にGFSIがあります。

GFSIは「安全な食品を消費者に届け、消費者と確かな信頼を築くために、食品安全マネジメントシステムの継続的改善の推進」をミッションとし、幾つかの食品安全マネジメントシステムのスキームを承認しました。その内の一つが、FSSC 22000です。

FSSC 22000はISO 22000の7.2項に規定されているPRPをISO / TS 22002-1(食品安全のための前提条件プログラム 第一部食品製造)等によって補強したものです。多くの方々からISO 22000はどうなるのかという質問をよく受けますが、ISO 22000はFSSCの基本となるもので、本来の姿は変わっていません。

FSSC 22000の目的は食品安全リスクの低減はもちろんですが、重複する監査をなくし、サプライヤー監査等のコストの低減を図ることも主要な目的です。

自社ブランドの食品安全のために、個別のスキームが構築され、サプライヤーやアウトソーシング先の2者監査が多様化していることも事実で、実際ISOの審査で会社を訪問しますと「今月はサプライヤー監査とISO審査の連続で本来の業務が思うように進まない」と嘆かれることがあります。既に幾つかのグローバルな組織は、FSSC 22000の認証登録により、監査コストの低減の実績を上げていることをTCGFの日本総会「ジャパン・フード・セーフティ・デー」や勉強会で報告しています。

また、国内で活動しているグローバル企業では自社が管轄する全工場の認証登録を実施し、サプライヤーにも登録を推奨していますし、国内の流通業界でも「PB商品の食品安全に関する国際戦略として、GFSI承認スキームを活用する」、「2者監査の際、GFSI承認スキーム取得組織に対しては、スキーム監査項目と重複する項目に関しては監査対象としない」と公表している組織もあります。

2000年以降、世界的に食品事故が多発しています。時を同じくして日本でも同様に、食品安全が問題になっています。このシリーズの第1回にも記しましたが、日本独特の食品安全の仕組みのみでは原料調達、加工、生産のグローバル化に対応できません。

四方を海に囲まれた日本は「海は自国を守る壁」として考えていましたが、交通機関や情報網が発達した現在、海は壁として機能していません。

FSSC 22000を活用することで、知識共有のためのネットワークに参加し、グローバルな情報の収集と監査コストの低減、それによって生まれた資源を活用して、グローバルな視点で食品安全リスクの低減のための活動を強化する良い機会と捉えています。

(掲載日:2012年3月23日)

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