【ISO全般】LRQA 日本・韓国統括 ヴァイス・プレジデント就任のご挨拶 「Back to Basics」基本に立ち返り、核心を突く審査で真のバリューの提供へ。

LRQA 日本・韓国統括ヴァイス・プレジデント 調 俊彦

米国系メーカーの日本支社で代表を務めた後、2012年6月よりLRQA 日本・韓国統括ヴァイス・プレジデントに就任。以前在籍していたメーカーでは、米国の品質管理システム「マルコム・ボルトリッジ賞」の内部監査員として、世界の製造拠点で監査を行った経験がある。その結果が各拠点の評価基準になるほど重要な位置づけの内部監査だったこともあり、製造業におけるマネジメントシステムの理論と実践について通じている。


ISOの認証取得から10年以上を経過しているお客様が多く、また、世界的なビジネス環境が激変している今、改めてマネジメントシステムに対する価値が問われているのではないでしょうか。

こうした中で、2012年6月にLRQA 日本・韓国統括ヴァイス・プレジデントとして、調 俊彦が就任いたしました。そこで今回は、就任のご挨拶、そして、マネジメントシステム認証を取り巻く現状を踏まえた今後のサービスの展望について、調が熱く語ります。

マネジメントシステムは、より深く、より拡がりのあるスコープへ

ISO 9001やISO 14001は世界的に普及が進み、もはや成熟市場と言われています。認証取得から10年以上が経つお客様も多く、「まずはマネジメントシステムを構築」という段階を経て、「次のステップとして次元の高いマネジメントシステムへ」とお考えの方も多いでしょう。また、ISO 9001やISO 14001だけではなく、食品安全のように業界に特化したセクター規格に取り組んでいるお客様もいらっしゃいます。

さらに、大手企業に限らず様々な企業がグローバル展開をされるにつれて、これまで国内で運用していたマネジメントシステムを海外拠点でも運用していこう、というケースも多く見受けられます。

このように現在、マネジメントシステムは、より深掘りしたレベル、かつより拡がりのあるスコープでの運用が進められています。こうした中、お客様はマネジメントシステムの認証に対して今まで以上のバリューを求められており、またその費用対効果についてもシビアに評価されていることを私たちは肌身で感じています。

マネジメントシステム認証を取り巻く環境とLRQA ジャパンのサービス

ビジネス環境の変化とともに、日々進化した審査サービスを

ISO規格は、数年ごとに規格改定を重ね進化しており、2015年にISO 9001とISO 14001の大幅改定が予定されています。一方では、ビジネス環境が激変している中、日々刻々と経営課題に対応するためにお客様のマネジメントシステム自体も日進月歩で進化しています。

当然のことながら、お客様の進化・変化とともに、認証機関に求められるバリューも高まっており、私たちの審査レベルを日々進化させていかなければ、お客様のニーズにお応えすることができないと考えております。

そのために、ここ数年来LRQA ジャパンが展開しているのが、「ビジネス アシュアランス」という審査に対する考え方です。これはお客様の経営課題に焦点を当てた審査を通して、組織のマネジメントシステムをより強固なものにする手がかりを提供することを目指しています。その具体例として「重点課題審査FABIK」や「リスクベースのアプローチ審査」を行っています。

経営課題を察知して審査に落とし込む

私たちがこうした審査を行うのは、真のバリューを提供するためには、お客様が直面している経営の重要課題に対する鋭敏な理解が必要だと考えているためです。ある程度マネジメントシステムが構築・運用されている組織の場合、経営レベルの課題は必ず実務現場に展開されています。

例えば、グローバル競争に勝ち残るために海外に拠点を新しく設立すると、経営的な課題に直面するのはもちろんですが、実務現場でも海外拠点のサポートやそれを前提としたビジネスプロセスの見直しなどの対応が求められてきます。

また、現在はサプライサイド(供給側)、デマンドサイド(需要側)、さらにはビジネス環境そのものにも従来以上の様々なリスクがあり、それらを相対的に評価し管理していかなければ健全な経営が行えません。最近、「想定外」という言い訳めいた言葉をよく聞きますが、経営者にあってこの言葉を使うことはリスクマネジメントが不十分だったのを認めることと同義にとらえられかねません。

時代やビジネス環境とともに日々変化するこういった経営課題を的確に把握し、形式に流れることなく審査の都度それらを的確に抽出して、経営の核心を突く指摘・報告をさせていただくことは私たち認証機関の責務と考えます。

「Back to Basics」核心をつく審査を

「ビジネス アシュアランス」の審査アプローチを推し進めるとともに、私たちは「Back to Basics」をスローガンとして基本に立ち返って審査のバリューを高めていきたいと考えます。

より核心を突いた審査を行い、改善につながる報告書を通してお客様の生産性向上やコスト削減、リスク軽減の手がかりとさせていただく。ひいては、お客様のビジネスの成長をサポートすることが私たちが提供すべきバリューだと考えます。

LRQA ジャパンではISO 9001、ISO 14001、OHSAS 18001など主要認証スキームごとに審査責任者を設け、その者を中心に一人ひとりの審査員が審査レベルの維持・向上をすべく研鑽をさらに重ねていきます。また、審査報告書についてもよりキメ細やかに経営課題の抽出に心がけ、お客様を取り巻くビジネス環境の変化に合わせた審査を提供できるように日々レベルアップを図ってまいります。

マネジメントシステムの認証を経営の中でどのように位置づけられるかはお客様ごとに異なってくると思いますが、私どもの審査がお客様の経営力の向上に貢献して私どものバリューの認知につながることが、何よりも私たちにとっての励みになると考えます。

真のバリューの提供

今後のサービス拡充にご期待ください

ISO 9001、ISO 14001ともに認証取得から時間が経っているお客様が多い現在、統合審査をしてほしいという声を数多くいただいております。統合マネジメントシステムは適切に施せば運用効率の向上や審査工数の低減などが期待できます。2015年に大幅改定が予定されるISO 9001やISO 14001でも統合マネジメントシステムを意識した内容となると聞いています。こうした流れを受け、LRQA ジャパンでも統合審査のご要望に積極的にお応えしていきたいと考えています。

さらに、ここに来て食品安全、自動車、航空宇宙、鉄道など、様々なセクター規格が普及を見せています。業界に特化したより深い取り組みが行えるセクター規格にチャレンジして、生産性向上、コスト削減、リスク軽減に成果をあげておられるお客様も数多くいらっしゃいます。自動車における機能安全規格、薬品添加剤の安全規格、海のエコマークと呼ばれるMSC漁業規格など、セクター規格はこれまで以上に幅広い業界へ拡がりを見せていくでしょう。LRQA ジャパンでは様々な業界や機能ごとの専門家を擁して、教育研修も含めたお客様からの多様なニーズにお応えするとともに、全世界にある50近くの審査拠点との連携を深め、グローバル化するビジネス環境に柔軟に対応できる審査体制を構築してまいります。

LRQA ジャパンが、250年以上の歴史を持つロイド船級協会から受け継いできた信頼。この信頼は過去の我々の先輩たちが営々と培ってきた信用に基づいています。私たちはこの信用を引き継ぎ、現代に相応しい審査サービスを提供して、お客様が環境の変化に柔軟に対応できるマネジメントシステムを構築されるお手伝いをさせていただきたいと考えます。それがひいては信頼性が高く、ムダの少ない、安全で環境にやさしい社会の実現につながっていくのだと確信しています。

統合マネジメントシステムのメリット/拡がりを見せるセクター規格にも対応


(掲載日:2012年12月10日)
   

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