【検証】計測可能なものは管理できる CDP 英国編 CEOインタビュー : ポール・シンプソン

CDP CEO ポール・シンプソン氏


カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CarbonDisclosure Project:CDP)は10年以上にわたり、より持続可能な世界に向けた行動を引き起こすために企業とともに取り組んでいる。
CDPのポール・シンプソンCEOが、LRQAシニアマーケティング コミュニケーション マネジャーのアレックス・ブリッグスに語った。

自らの環境リスクを測定する企業は、そのリスクに対してより戦略的に対処できます。そして透明性を持ってその情報を開示する企業では、行動を起こすのに必要な証拠や見識を提供する重要なグローバルデータへ、意思決定者がアクセスできるようになっています。CDPのポール・シンプソンCEOは先日行われたInsight(LRグループ広報誌)のインタビューで、設立以来約10年にわたるCDPの歩みについて、そして気候変動緩和戦略における報告の重要な役割について語りました。


「我々は、企業--特に多国籍の大企業--が、持続可能性への取り組み方で進化や工夫を見せ始めている、という事実を目のあたりにしてきました」

アレックス・ブリッグス
CDPは設立以来素晴らしい道のりを歩んでおられ、現在は資産総額が87兆米ドルに達する722の機関投資家と連携し、投資ポートフォリオにおけるリスクの明確化を支援していらっしゃいます。この10年間、CDPが投資に対するリターンをもたらしたように、あなたが行った革新的な取り組みは、どのようなものだったのでしょうか?

ポール・シンプソン
私たちがCDPを立ち上げたのは2001年のことです。その理由は、気候変動が将来的にもたらすリスクやチャンスについて投資家と話していた際に、「私たちにはそのようなリスクやチャンスを評価するための十分な情報がない」というメッセージをよく耳にしていたからです。

したがって私たちがCDPを立ち上げたときの目的は、特に世界で最大手企業500社に重点を置いて、そうした情報を投資家向けに集めることでした。もちろん、10年が経って多くの事が変わりました。

私たちは今、「我々は最大手企業だけの情報が欲しいわけではなく、より幅広いポートフォリオをカバーする必要がある」という投資家からの意見により、世界の大手企業5,000社まで対象を広げました。その結果、中国、インド、ブラジル、南アフリカなど、新興市場へも対象が広がりつつあります。

これらの国々は国内でも海外市場からも投資レベルが上がっており、CDPではこれらの市場で大きな成長傾向があるとみています。本当の意味でグローバル化が進めば、大きな変化が現れるでしょう。

開設当時は、データを集めるのも初めてのことで、自分たちが何を持っていて、そのデータをどのようにしてビジネスや投資の決定に役立つ情報、知識、知恵に変えることができるのか、よく分かっていませんでした。

しかし、その後さまざまな方法で、特に企業の情報開示の質や網羅性をスコア化することで、データを活用し始めました。スコア化は現在さらに進化し、投資家が求めた情報を企業がどの程度提供しているかに関してだけでなく、温室効果ガス(GHG)排出削減戦略など気候に関する企業の対応についての情報にまで及びます。

さらに、炭素排出や気候リスクに重点を置くだけではなく、水も含めるようになりました。また、CDPは森林情報開示プロジェクト(Forest Footprint Disclosure Project)という組織との融合を進めており、現在、気候、水、森林に目を向けています。

このアプローチは、気候変動をきっかけに、企業がより幅広い環境問題やリスクマネジメントに注目してきた傾向と合致するものです。


(掲載日:2013年07月4日)

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