【品質】二者監査の実践テクニック(3):二者監査の実践

奥村朋子 LRQA主任審査員
奥村朋子
LRQA 主任審査員

筆者の所属していた組織の海外工場で、日本メーカーから購入した部材に不良品が混入し大きな損失が発生しました。その是正処置のフォローアップとグローバル調達の定期監査を兼ねた二者監査を、スコットランド人のSupplier Quality Engineer(イギリスの生産拠点所属)をチームリーダーとした、アメリカ人1人、日本人2人の4名の監査員とグローバル調達の責任者で構成されたチームで実施しました。このチームのメンバーとして、筆者も参加しました。2社の部材メーカーの監査を1社につき5日間、合計10日間、40人日(調達責任者はオブザーバ扱い)の二者監査でした。両社ともに2チームに分かれ、各地の工場を6拠点サンプリングし、一つの工場を丸1日かけて監査し、プラス本社工場を全チームで2日間にわたり監査しました。被監査組織からは、ガイド役として不良品を納入された海外工場を担当する海外販社の営業担当と日本の営業担当の方に、通訳もかねて帯同していただきました。営業の方は、必ずしもQMS用語を理解しているわけではないので、日本人監査員は、日本語になった質問を被監査側が理解できるように咀嚼して伝える役割も時には担うことになりました。このときに使用した監査チェックリストが先に述べた、システムチェックリストとProcess Risk Assessment チェックリストの2種類でした。

 日々の監査は、本社工場の最終日を除き、朝8時半スタート、午後5〜6時に終了し、次の監査地に向け電車や飛行機で移動し、監査チームミーティングはホテルに戻ってから行うという、ハードスケジュールで実施しました。監査スケジュールの配分を間違うと監査目的を達成できなくなります。詳細な監査スケジュール作成は、3ヵ月くらい前から日本とイギリス間でメールと電話会議によるコミュニケーションにより行われ、回を重ねるごとに、チェックリストと共に緻密さをましていきました(二者監査の計画・準備・実施・是正に至るフローは図表5・6参照)。

 本社工場監査では、チームリーダーを担当できる力量を持った監査員が一挙に4人訪問し、1人ずつ、それぞれにいくつかのプロセスを担当し、1つのプロセスを2〜3時間かけて確認することになりました。被監査側も大変だったことと思いますが、こちらがどのようなことを実証して欲しいのかを丁寧に説明すると、予め準備できていない事項でも、大変協力的に対応していただけたことが印象に残っています。以下に、この監査の事例をいくつかご紹介します。

チェックリストの事前送付と供給者による自己評価

監査のあり方として「抜き打ち」的に行う場合と、事前に監査ポイントを「事前通知」して行う場合とがあります。二者監査としていずれが適しているかは様々な議論があり、一方のやり方が優れているというよりは、監査目的により決定されると考えています。  

筆者が紹介している事例では「事前通知」、つまり、でき上がったチェックリストを事前に被監査者に送付し、自己評価を記入して返送してもらう方法を採用しました。これはこれで、自己評価で充分にできていると、「評価したプロセスに問題が発見された場合、自律的な問題認識能力が問われることになるため、結構プレッシャーがかかる」と被監査者から感想を述べられたことがあります。  

いずれにせよ、Win-Winの体制を強化する思想を根底に持っていない限り、いかなる方法でも二者監査の目的は達成しがたいものとなるでしょう。

Process Risk Assessmentチェックリスト

【目的】  
二者監査用チェックリストを2種類用意することは先に述べたとおりですが、特にProcess Risk Assessment チェックリストは目新しい言葉ですので、その目的とどのように作成するのかをここで説明します。  

まず、目的ですが、二者監査においては、取引上のさまざまなリスクを想定して、そのリスクをどのようにコントロールするか、供給者でどのようにコントロールしているかを明らかにし、必要な場合は指摘による是正処置要求や改善要望を提示することになります。リスクは供給者起因の問題で述べたように多岐にわたりますが、特に提供される製品自体にかかわる品質問題や納期供給問題は直接的な影響を持つため、二者監査でも中心的な確認ポイントとなります。一方、監査時間には限りがあり、供給者の受査負担軽減を含め、限られた時間で重要なポイントを押さえるようなやり方が必要となります。こうしたニーズを反映し、重要で優先度が高い確認ポイントを明らかにするツールがProcess Risk Assessment チェックリストです。

【作成方法】(図表4)
(1)プロセスフローチャートをよく見る

このチェックリストを作るには、まず、供給者のプロセスで、受入から製造、出荷といったプロセスステップの全体を明らかにしていきます(ここではまず広げます)。次に、自社(顧客)として、製品を受け入れる場合に重要としている特性と供給者のプロセスステップの関係が密接なところを明らかにしていきます(ここでは絞込みます)。「よその会社」のプロセスですから、最初はよく分からなかったりしますが、だんだん育てていくツールと考えてください。また、社内の品質部門や技術部門などで、比較的詳しい人がいれば、そうした人たちにも参画してもらって作り上げていきます。

具体的には、供給者から提出されたプロセスフローチャートをよく見ます。同種の製品の供給者が複数ある場合は、同じ性質のフローチャートをすべて並べてみます。そして自分たちで、これらのフローチャートを一つのものに書き直していきます。供給者ごとに実際の工程が異なる場合もあれば、フローチャートの描き方が異なる場合もありますから、内容は違っていて当然ですが、例えば、A供給者では部材加工の後に熱処理という工程が書かれていて、B供給者にはないような場合、一応、熱処理工程があるのに表現されていないものとして扱います。つまり、AにはあってBにはない、逆にBにはあってAにはないというようなケースが出てきますので、最終的に自社で特定したプロセスステップは、AとBのすべてを網羅したものができ上がります。

下記の拡大図表PDFをご参照ください

(2)P-FMEAのS・O・Dと納入仕様書を検討

次に目を向けるのは同じく提出してもらっているP-FMEA(工程FMEA)です。前項で作成したプロセスフローチャートを使い、プロセスステップごとの故障モードを同様に合わせ込んでいきます。フローチャート以上に故障モードの実態や表現は各社各様ですから、慣れないと混乱したりしますが、よく分からなければ、単純に併記してみるくらいの感覚で実施します。

P-FMEAでは一般に、厳しさ(S)、発生(O)、検出(D)の3項目及びそれを掛け算したリスク優先数(RPN)の点数が記述されています。供給者により点数を決める基準は異なっていたり、極端な場合、10点法と5点法のような違いがあったりしますが、この場合は10点法に換算をして、点数を表現していきます。

二者監査の場合、自分たちが顧客ですから、まずは厳しさ(S)について、供給者がどのように見ているかを把握することが大事です。厳しさ(S)は顧客への影響を示しますから、顧客である自分たちへの影響、という観点で真剣味を持って検討すべき項目です。後ほど、監査時の重点ポイントを決定する際にも、この(S)の高いプロセスがどのようにコントロールされているのかを確認することは、優先順位が高い項目になります。

P-FMEAの検討の2番手は発生(O)です。これは、厳しい影響を持つ故障モードの発生原因(通常、一つではない)ごとに、発生率の高さを表現した数字です。複数のP-FMEAを対比した場合、供給者ごとに発生原因の捕らえ方が異なるのが普通です。前述同様に、さまざまな原因と発生率を記載してみてください。たとえば、部材加工のプロセスでは、「作業者の勘違い」とか、「加工冶具の劣化」とかいったように、まったく異なる原因が記載されていることが想定されます。

3番手が検出(D)ですが、この点数は問題をいかに見つけられるかという性質を表します。流出を防ぐ意味はありますが、前項の発生に対する管理よりは優先度は低くなります。

ここで、もう一つの要素を加えます。それは、供給者と取り交わしている納入仕様の特性です。重要な特性はP-FMEAの厳しさ(S)が高くなることが一般的ですが、提出されたP-FMEAの中で、そうした関係が成り立っているかの検討です。自社で重要と位置づけられる特性が、供給者の工程で損なわれた場合の影響を軽く見られているような場合は、監査時のポイントになるでしょう。

下記の拡大図表PDFをご参照ください

(3)コントロールプランを検討

プロセスフローチャート、P-FMEA(納入仕様書)についで、提出されたコントロールプランを検討します。コントロールプランはいわばP-FMEAを裏返したものといえます。P-FMEAで望ましくない故障モードと影響を検討し、発生をさせない(Oを下げる)ための方法や、発生した場合に検出できる(Dを下げる)ための方法を検討し、決定した活動がコントロールプランに記述されます。供給者間の違いはすでにP-FMEAで把握され網羅されていることになりますが、これを最後に見比べて、いわゆる4Mの管理方法や検査方法、装置や計測機器、異常時の対応など、どのようなコントロールが組み込まれているか、を最終的に整理していきます。

ここまで読んでいただいて、すでにうんざりしている読者もおられるかもしれません。書き出してみるととても大変な作業のように見えますが、実際はもっと大変な作業となります。筆者の経験でも、Process Risk Assessment チェックシートの作成は一気に完成するようなものではなく、ある供給製品の一部のプロセスステップごとに、地道に少しずつ作り込んでいくような進み方をしました。こうしてでき上がったものを事例として一部掲載していますが(図表2)、さらに改訂が加えられ、変化していく性質を持ったチェックリストであることをご理解ください。

下記の拡大図表PDFをご参照ください

【監査優先順位の決め方】
Process Risk Assessment チェクリストは供給者のプロセスやリスクを検討した結果、でき上がった「全体を網羅した」チェックリストです。すべての項目を監査しようとしたら時間がどれだけかかるか分からないようなチェックリストです。

監査の準備段階で、どのプロセスステップを重点とするか、場合によっては、さらに、どのチェック項目を重点とするかを絞り込んで使用するツールであることは言うまでもありません。

では、どのように優先順位や重点を決めるか、ということになります。

監査対象の供給者を決定する時点で、過去に実際に発生した品質や納入の問題は検討され、是正処置実施のフォローアップが特定されます。特に理由がない限り、フォローアップ部分は最優先の確認ポイントとなります。

定期監査等、過去に問題が発生していないような場合、つまり潜在的なリスクに対する優先順位は、供給者から提出されたP-FMEAや納入仕様を検討し、チェックリストを作成した段階でプロセスステップごとに特定されていますので、まず厳しさ(S)の高いプロセスステップが優先候補で、さらに、RPNが高いところ(つまり、OかDのいずれかの数値が高い)に目を向け、ほかに目的がなければ発生(O)の高い組み合わせとなっているプロセスステップの確認を優先します。

さらに、このチェックリストは供給者に事前に送付し、管理状況の自己評価結果を返送してもらっていますので、これも参考にします。ただし、監査はきちんとコントロールされ、リスクが低減されていることを確認することが一般的な目的ですから、監査目的が異ならない限り、自己評価結果が良いことを理由に優先順位を下げることはありません。

こうした検討から、最終的には監査スケジュール、時間配分が決定され、被監査者と調整して決定することになります。

筆者の経験では、同種の工程を持つ複数の工場を2チームが分担して監査を行うスケジュール(図表7)となるため、Process Risk Assessment チェックリストが返送された段階で、海外監査員(うち1名が全体の監査チームリーダー)と電話会議で、チームごとの監査ポイントを決めていきました(余談ですが、UKとUSAとJapanなので、三極会談の際はいつも日本では夜中の会議でした)。

下記の拡大図表PDFをご参照ください

【Process Risk Assessment チェックリストの実際の使い方】
Process Risk Assessment チェックリストがいかに大変な労力をかけて作成されるか、さらにそのようにして作ったリストの中から、優先順位をつけ、ある一部分のみが監査スケジュールとして使用されることになることを先に述べてきました。

ここでは、実際に二者監査で供給者を訪問し、事務所及び現場でどのようにこのチェックリストを展開していくのか、その一端を、製造プロセスを対象にシミュレーション的に紹介します。以下、基本的な確認ポイントの流れを示します。

(1)パフォーマンスの確認
流出不良(件数や率)の目標と実績の状況(注:流出不良=自社の受入不良ですから、Process Risk Assessment チェックリスト作成時に実績情報は把握しています)の確認です。

自社(顧客)向けの製品に関する、工程内不良や生産性などの目標と実績の状況について、数多く発生している不良項目、発生している時期(月や週)などと、被監査者がそれらをどのように見て対しているかを把握します。典型的には、グラフや数表が示され、内容と対応の説明を受けます。ここで、計画時に優先順位付けし、監査対象としたプロセスステップを変更すべきか、即断します。パフォーマンスが悪化している部分(プロセスや時期など)は監査対象として優先します。対象とするプロセスステップのコントロールプラン(できればP-FMEAも)のコピーを借用します。

(2)コントロールの設定内容の確認(少なくともここからは現場へ行きます)
Process Risk Assessment チェックリストの項目と回答、例えば、資格認定された作業者が作業している(回答例:「Yes」「4点」etc.)、加工条件はコントロールプランに明確に設定し運用している(回答例:「Yes」「5点」etc.)などの情報を元に、被監査者が、発生や見逃しのリスクの高さを認識し、そのリスクを下げるために「何に取り組んでいるか」を理解します。パフォーマンスが悪化したような場合は、コントロールプランから外れたか、コントロール(プラン)の内容が的確でないかのいずれかが想定されます。プロセスから得られる結果(製品)の良しあしがどんな要素により影響されるかは、下記のように、さまざまな組み合わせがあり得ます。

  • 人の要素:作業者の熟練に頼る
  • 設備の要素:装置の性能や安定に頼る
  • 手順の要素:設定した手順順守に頼る
  • 原材料の要素:材料などの質に頼る
  • 作業環境の要素:ほこりや温湿度に頼る

などで、重要な関係を持つ要素がチェックリストに現れているはずです。実際の問いかけを単純化すると、図表8のようになります。

(二者監査に限りませんが、事務所から現場へ移動する間にも、手順やグラフ、ホワイトボードでの指示や引き継ぎ、今日の作業者配置図、資格者一覧表、緊急時連絡体制などの掲示物、物品や場所の表示、色分けなど、多くの情報がありますので、監査目的と関連しそうなことは頭の片隅にとどめておくようにします)

下記の拡大図表PDFをご参照ください

(3)実施状況の確認
前項で理解した活動や設定内容とProcess Risk Assessment チェックリストの一致性を対比しながら、「実際にそうなっているか」を、図表9のような問いかけで把握していきます。

一応、可能性のある要素を並べてみましたが、ここでも重要度による優先順位や取捨選択があるので、すべての項目を確認するわけではありません。

現場での主要な監査テクニックは「観察」です。一方、始業点検のように、その場では見られない要素は「記録」で確認することになりますが、実際に行っている状態が想定できるような見方が必要です。

現場で監査を行う際には、作業の邪魔をしないようにする配慮が必要です。一方、作業者に何かを質問するような場合は、必ず、同行している方に了解を得て、支障のない場面で行います。

下記の拡大図表PDFをご参照ください

(4)設定内容と実施状況の対比結果から不適合指摘、または改善の機会を特定
実際には、前項の活動を項目別に確認する中で、決められた通りに行われていない点があれば、不適合となります。特に、二者監査ですから、自社への品質や納入に影響する可能性が特定できるような場合は、その影響を含めて説明できるように情報を整理し、被監査者に伝えます。

すべてが決められたとおりに実施されていても、①で確認したパフォーマンスが達成できない場合は、コントロールの追加か見直しが必要になります。もし、こうした状況が現れた場合は、供給者と対応を協議しますが、そう簡単な問題ではない場合が多いです。また、対応のために自社側の協力が必要なことがあれば、要望を受け止めます。

このようにProcess Risk Assessmentチェックリストに従って監査を行っていくと、この④の活動から、チェックリスト自体の改訂ニーズが特定されますので、忘れずに改訂箇所と意見をメモしておいてください。

【マネジメントレビュープロセスの監査】  
一例として、マネジメントレビュープロセスの監査をご紹介します。

記録として供給者からご提示いただいたのは、パワーポイントにまとめられた外部プレゼン用の資料でした。説明をお聞きしながら、「ところで、これは年間の総括資料のようですが、日々あるいは、週次、月次のような単位で様々な決定を経営層が行われていると思います。例えば、今期の当社への供給はどの程度の量になるのか、月次の供給の修正はあるのか、経営層に報告しなければならないような不良の発生の有無、昨年の当社に対する不良流出の是正処置は上手くいったのかなど、実務的な経営層へのインプットやアウトプットを確認したいのですが」とお願いしたところ、昼の休憩を挟み、実務の担当部隊とバトンタッチしていただき、顧客とはいえ、被監査組織にとって自組織がどのような立ち位置にいるのかが確認でき、チームリーダーの顧客満足プロセス監査結果と同様な結果となり、供給問題のリスクを回避するアクションを調達部隊が起こす必要があることを、監査結果から早期に入手することとなりました。

【プロセスのつながりの監査】
また、先に実施していた工場の検査工程で、「購買先協定書」に定めた検査方法と違う検査方法で出荷検査が実施されていた点について、工場は本社から発行された検査基準書にしたがって検査が実施されていることが確認できたので、本社工場の監査でこの点を確認するようスケジュールを調整しました。

検査基準書を作成した品管部門に確認したところ、品管部門が持っていた「購買先協定書(第6版)」と監査側が持っていた「購買先協定書(第9版)」の版が違っていることが判明し、被監査側はイギリスの販社が窓口となっているため確認をしてもらったところ、最新版の「購買先協定書」には合意していないことが判明し、監査側組織内のプロセスにも問題があることが分かりました。

それでも、第8版は効力を発揮していますから、被監査側の「購買先協定書」の展開プロセス(つながり)にリスクがあることは明確となりました。

【緊急事態への対応はどのプロセスでも確認】 
自社の要求事項を反映するため、TS 16949をベースとしていたので、緊急事態対応計画について確認したところ、緊急連絡網が提示されたため、東日本大震災が起こる以前の監査でしたが、想定し得る緊急事態の具体的な事例「生産管理システムをつかさどるセンターサーバーが大地震などで壊滅状態になったときを想定したバックアップシステムの存在」「社内食堂による食中毒発生に伴う要員不足」「インフルエンザなどの伝染病による要員不足」「労災発生に伴う操業停止命令」等々に対し予めどのような対処をするのか、その計画を立てておくことが重要である旨を説明しました。緊急事態が起きてから幹部が集まって対応を考える手順では自社の要求を満たすためには不充分であることを説明する場面もありました。

【意外に重要なロジスティックスの計画】
さて、読者の皆さんの組織では、二者監査にどの程度の準備期間と実施時間を使っていますか?

監査スケジュールを実行するためには、監査チームがどのように動くか、必要とする資源や支援は何かなど、間接的な要素を計画することも重要です(特にここで紹介している事例は海外から監査員が参加していることもありますが)。

具体的には、図表10のような準備が必要になります。図表11は、ロジスティクス計画の事例です。

下記の拡大図表PDFをご参照ください


下記の拡大図表PDFをご参照ください


【オープニングミーティングとクロージングミーティング】
(1)オープニングミーティング

被監査者の拠点に到着し、関係者との挨拶を済ませると、いよいよ監査の開始です。監査のスタートにあたって、監査計画どおりオープニングミーティングを行います。監査計画は、事前の準備、調整段階で被監査者も合意していますから、出席者は被監査側で決定されています。オープニングミーティングは被監査者にこれから行う監査がどのようなものであるかを明らかにし、理解してもらうことが肝要で、監査実施時、被監査者に協力的に対応してもらえるようにします。スライドプレゼンテーションは効果的な方法の一つです。主催者は監査チームリーダーです。一般的な内容は以下の通りです。

  • 挨拶
  • 監査チーム紹介、被監査者の主要な出席者の紹介
  • 監査目的(新規取引に先駆けた事前確認なのか、取引契約を継続するかどうかを評価するための定期的な確認なのか、品質問題のフォローアップなのか、など)
  • 監査の範囲(期間、対象とする製品や活動など)
  • 監査基準
  • 監査スケジュールと被監査者の同行者の確認
  • 監査の実施方法
  • 指摘の種類と指摘方法、是正処置要求の基準
  • 監査結果のフィードバックのスケジュールと方法
  • 守秘義務、安全
  • 監査結果と結論の報告
  • 質疑応答

本稿では、二者監査の手法としてProcess Risk Assessmentを提唱していますが、被監査者は慣れていないでしょうから、特に明確に説明する必要があります。図表12は、Process Risk Assessmentの特徴的な部分などを紹介したものです。この説明が終わり、最後に質疑応答を行ってから、監査を始めます。

下記の拡大図表PDFをご参照ください

(2)クロージングミーティング

監査終了時にはクロージングミーティングを行います。クロージングミーティングの一般的な内容は以下の通りです。

  • 監査への協力に対する謝辞

被監査側には多忙な中、監査を受けるための様々な負担があります。こうした協力に監査側として感謝の意を表すことは、その後の協力関係継続にも重要です。

  • 監査結論

監査目的に対する監査チームの結論を述べます。
取引開始や継続に関する監査チームの評価と判定(システムチェックリストによる)。
是正処置の実施状況と効果に関する全体的な評価。
Process Risk Assessmentで確認したプロセスの堅牢さを維持改善する活動の評価。
顧客として今後期待する成果と活動。

  • 監査結果

最初に、観察された事項で、良かった点や強みを述べます。
指摘事項を、不適合(是正処置と回答が必要)、改善の機会等の区分をもとに、全体的として改善が必要な分野をまとめて述べます。
個々の指摘は、文書化して、必要な範囲で説明し、理解、合意されたことを確認します。特に、時間の関係で個別には口頭説明のみとなっていた指摘は、記述されたものを示して合意を得ます。

  • 監査報告書

報告書の提出時期を説明します。

  • 是正処置とスケジュールの確認

是正処置要求がある場合は、回答時期や回答内容、方法について説明し合意します。参考事例として8Dの様式(図表13)をつけましたが、より簡易な是正処置回答様式や5原則シートのような様式など、指摘が含むリスクの大きさによって是正処置の要求内容を変えます。

  • フォローアップや次回監査の概要

必要なフォローアップ活動や時期、定期監査の場合は次回実施時期の概要など、説明し合意を得ます。

  • 質疑応答

質問に答えたり、被監査者からの要望等を確認し、監査を終了します。

クロージングミーティングの結論の中に、「顧客として今後期待する成果と活動」という項目があります。監査中に特定されたリスク(潜在的なもので、現時点では問題にはなっていない)として、例えばクリーンルームのクリーン度の向上、特定の製造装置のボトルネック解消、バーコードや自動計測システムの導入、被監査者の特定供給者への依存度低減など、経営層でなければ意思決定できないし、検討や開発に時間と労力がかかる性質をもったものがあり得ます。一方的な押し付けでは、相手は動いてくれないことが想定されますが、二者監査では顧客組織の代表としてWin-Winの関係をいかに構築するかを考えながら、こうした点を指摘し、より大きなリスク低減につなげていくことが必要です。

下記の拡大図表PDFをご参照ください

掲載日:2013年11月 (アイソス No.192 2013年 11号)

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