【自動車】ISO/TS 16949寄稿シリーズ(3):ISO/TS 16949の審査工数の三分の一は製造プロセス

このシリーズでは、IATF承認取得及び維持ルール第4版の改定の影響をお伝えしています。今回は審査工数の配分についての新たな要求事項のご紹介です。

表題の通り、IATF承認取得及び維持ルール第4版では、「総審査工数の三分の一を製造プロセスに当てること」が要求されました。2014年4月1日以降、ルールの完全実施が求められていますので、4月以降のISO/TS 16949審査では、審査計画の中で、三分の一は製造プロセスを審査する計画として、審査を実施することになります。

「製造」プロセスは、それぞれの会社で様々な意味合いで使われているとは思いますが、ISO/TS 16949:2009に「製造」の定義がありますので、以下に引用します。

3.1.6 製造

次に示すものを製作する、又は仕上げるプロセス。

  • 生産材料
  • 生産、若しくはサービス部品
  • 組立製品、又は、
  • 熱処理、溶接、塗装、鍍金又は他の仕上げサービス

つまり、「製造プロセス」は何かを作ったり、加工したりしているプロセスということになりますのでご留意ください。

この要求の元になっていることは想像の域を出ませんが、自動車顧客がサプライヤー各社から提供を受けるのは、端的に言えば「製品」でその品質がプアであれば、いかに緻密な品質マネジメントシステムが動いているように見えても実は顧客にとっては意味がありません。製品を生み出す直接的なプロセスが「製造」ですから、そこに重点を置いて、適合製品が確実に製造されるプロセスとなっているかを審査をしなさい、という思いが反映した要求と想定できます。

具体的には、例えば、3日間のISO/TS 16949 審査の場合、丸々一日は製造プロセスの審査ということになります。さらに補足すれば、IATFは、そのプロセスを(できるだけ)「現場」で審査することを要求していますから、会議室ではなく、製造現場で、コントロールプランやP-FMEA、作業標準などをベースに、実施状況を丸一日、審査する、というような審査スタイルになります。

受審組織の特質にもよりますが、場合によっては製造現場で丸一日の審査を行うことは審査側、受審側の双方にとって結構大変に思える活動になるかもしれませんが、ルールとして制定された以上、逸脱することは認められません。

一方で言えば、IATF自動車顧客が適合製品の供給を強く望んでいる姿勢が現れた要求ということができます。

このような情報を含めて、LRQAでは、ISO/TS 16949 に関する様々な情報、クライアントの皆様に提供する場を設けたいと考えています。

また、関連するお問い合わせなどはいつでも歓迎いたしますので、遠慮なくご連絡をいただければ幸いです。

ルール第4版改定内容については、東京、大阪、名古屋、盛岡、仙台、福島で無料説明会を行い、ご参加いただいた皆様から御好評をいただきました。

コアツール(APQP、PPAP、FMEA、SPC、MSA)研修(有料)も随時開催してまいります。


日吉 信晴 LRQA ジャパン ISO/TS 16949 審査員・講師

日吉 信晴

LRQA ジャパン ISO/TS 16949 審査員・講師

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