【検証】セミナーレポート2011年4月15日開催「CO2排出量削減のためのエネルギーマネジメントの実践 -事業所の’電力’対策-」

第3回「CO2削減のためのエネルギーマネジメントの実践」勉強会2011年4月15日に、第3回「CO2削減のためのエネルギーマネジメントの実践」勉強会が開催されました。震災等の影響から、夏場に向けて、 (4月15日時点では)20%~25%の電力削減が要求されたことを受け、大きな関心を持って参加された方も多かったようです。

第3回は、『事業所(主にビル)における “電力” 対策』を主たるテーマとしましたが、今回もまた、省エネルギーの重要さは認識しながらも、なかなか思うように進まないという実情が浮き彫りになってきたようです。

省エネの難しさの共通的な要因には、 
  • “事業者それぞれが異なる省エネルギーの背景を持っていること” 
  • “推進体制の問題” 

があるようです。

「異なる省エネルギーの背景」とは、企業における省エネの歴史(体系的かつ十分な取り組みを実施してきた/最低限の省エネルギーのための取り組みを実施してきた等)の相違や、事業所の形態、設備、エネルギーの使用状況等が異なること等があります。

また、「推進体制の問題」は、投資の判断を行う部門、エネルギーを使用する部門、省エネルギーを推進する部門が全て異なるケースが多いことが挙げられます。

関連部門

勉強会では、個別の省エネルギー技術を織り込みながら、以下のような省エネルギー推進のための原則的な取り組みが紹介されました。

省エネルギー

 1. 目標の設定・共有化

目標が明確になっていない省エネルギーの活動は、まず成功しないようです。明確な目標を設定し、社内でその目標を共有化することが、第一歩です。 

省エネルギーという特性上、『○%のエネルギー削減』、または『○%のCO2の削減』等と目標の到達点の明確化は比較的容易に行えるようですが、その目標を社内で真に共有化するためには、ただ単に『3年間で、○%のエネルギー使用量削減を目指す。』ことを周知するのみではなく、『なぜその取り組みが必要なのか?』について十分な理解を得ることが必要です。特に製造業においてはエネルギーの使用は、製造原価に直接かかわってくるためこの意識付けが容易ですが、工場以外の事業所においては、この共通認識が希薄になりがちです。ここでは、事業戦略と経営資源の配分に最終的な権限を持つ経営トップとのかかわりが欠かせません。 

省エネ法の適用を受ける組織においては、改正省エネ法により、組織の経営陣を含むエネルギー使用の合理化に関する組織の整備が義務付けられたこと、震災等の影響により電力使用量の削減が事業継続のための必須条件として大きくクローズアップされたことは、見方によっては、事業戦略と一体化した省エネルギー活動を推進し、組織の文化とするための好機とも捉える事ができるのではないでしょうか。

エネルギー管理

勉強会では、竣工以来大規模な設備投資を行うことなく、チューニング(運用条件の見直し)によって6年間で36%のエネルギーの使用量の削減を達成したオフィスビルの事例の紹介がありました。 

この事例の成功要因は、まさに目標の共有化と省エネルギーへの取り組みを企業文化としたところにあります。

2. データの分析

省エネルギーの可能性は、それぞれの会社によって異なることと、多くの場合、省エネルギー対策の実施には投資を伴うため、データに裏付けされた確かな情報が必要となります。 
分析を行うことなく、他社事例を安易に適用するような対策は、時として全く成果をもたらさない場合もあります。

データの分析を行うにあたっても、計測器の購入・設置等の費用がかかるため、二の足を踏む組織が多くあるようですが、一事業所で、契約電力500kW以上であれば、電力会社から、1時間毎の電力供給データの提供を受けられるため、まずはそこから着手することが可能です。

また、エネルギーの仕様用途別の分析も、省エネルギーの可能性を特定するためには欠かせません。 
空調設備で多くのエネルギーを使用している場合には、電動ターボ式冷凍機の採用が効果をもたらす場合が多いようです。ガス吸収式の冷凍機のCOP(*1)値1.6程度に留まっているのに対し、ターボ式冷凍機は近年性能の向上が著しく、COP値6程度を達成しています。また、照明で使用される電力が比較的多い組織では、LED照明の採用もその実績が確かなものとして評価され始めています。病院やホテルなどのように給湯のためのエネルギー使用が多い事業所では、高効率給湯機の採用も省エネルギーの成果を上げているようです。

3. 運転の適正化(管理基準の明確化)

セミナーの様子 エネルギー設備・機器の最適な運用条件を見つけだし、 基準化することの重要性は、省エネ法の基本的な取り組みにもなっています。 特に、商業用ビルの場合には、工場の製造設備とは異なり、 あらゆる使用を考慮して十分な設備能力を持って設計されていることが多いようです。 
その設備の使用状況の現状を見極め最適なチューニングを 行い、 管理基準として確立することが重要です。 

例えば、先に述べたターボ式の冷凍機の場合でも、5℃の冷水を供給させ、ビル内の冷房に使用しているが、実際には、供給する冷水の温度を7℃~10℃に上げても十分な冷房能力を持つ場合があります。このような事例では、居室内の快適性を損なうことなく、省エネルギーの達成が可能となります。

さらに高効率の機器を採用している場合でも、適切な保守を行わなければ性能は劣化してくるため、管理標準の中に適切な保守を規定し、実施することが重要です。

4. モニタリング(監視)

管理基準を確立するため、及び、その運用の成果を確認するためには、適切な監視・測定情報をタイムリーに伝達することが重要です。

特に商業用ビルの場合には、モニタリングの粒度が粗すぎたり、情報提供が時宜を逸した場合、エネルギー使用の増加/減少の原因の特定が困難になり、導入された対策の効果が見えないままに終わってしまうことが多いようです。 
「電気系統図(単線結線図)」や、蒸気、圧縮空気等の「配管系統図」等を準備して、適切なモニタリング計画を立案し、データの分析~改善の機会の特定に繋げることが重要です。 
さらにコンピュータ等のIT機器を活用して、エネルギー使用の現場にエネルギー使用の実態をタイムリーに提供することによって、使用者側の意識啓発、自発的な省エネ活動に繋げることも可能になります。

モニタリング(監視)

LRQAでは、引き続きこのような勉強会を開催し、お客様の様々なビジネス課題の解決を支援させて頂きます。
(*1) COP: Coefficient Of Performance 成績係数。消費エネルギー1kW当たりの冷房能力を表したもの。この値が高いほど効率がよい。



【CO2排出量削減のためのエネルギーマネジメントの実践 - 勉強会のお知らせ】

2011年2月より、「CO2排出量削減のためのエネルギーマネジメントの実践」勉強会を 毎月1回開催しています。 
東京都トップレベル検証人を講師に、CO2排出量削減目標達成に向けた、 効果的なエネルギーの運用・管理の実践に焦点を絞った少人数の勉強会です。 
エネルギー管理者、地球温暖化対策担当者などを対象に 「工場の’電力’対策」をテーマに、エネルギーマネジメントに不可欠なポイントを解説していきます。


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