【食品安全】コール・グローンフェルト 監査員の能力 食品安全 英国編

食品安全のカギ

「ベストプラクティスや革新が、世界中のサプライチェーンの食品安全を推進している」-コール・グローンフェルト-

ロイド レジスター クオリティ アシュアランス(LRQA) 食品サプライチェーンサービス・グローバル部長 コール・グローンフェルトコール・グローンフェルト
食品安全認証機構 (Foundation for Food Safety Certification)会長、
ロイド レジスター クオリティ アシュアランス(LRQA) 食品サプライチェーンサービス・グローバル部長
www.linkedin.com/in/corgroenveld   ツイッター: @LRQAFOOD 


汚染食品や水によって、毎年約180万人が死亡

食品安全は競争の問題ではない。食品が安全であり持続可能な方法で生産されていると消費者が確信を持てるよう協力することは、世界中の食品サプライチェーン関係者の利益にかなっています。 

サプライチェーンのグローバル化や透明性、トレーサビリティへのニーズが引き金となり、食品安全へのアプローチ方法が変わってきました。この10年間で、主要な関係者間で連携したアプローチが見られ、その結果、ベストプラクティスが強調されるとともに、ありきたりな取り組みがあぶり出され、優秀な取り組みが報われやすくなってきています。 

革新、連携、変革のおかげで、世界中のサプライチェーンによる食品安全への注目の高まりが、大きな改善をもたらしました。しかし、現在の食品安全に関する統計数値が物語るように、課題はまだ残されています。例えば、汚染された食品や水によって、毎年約180万人が死亡しています。また食品が原因となって発生する疾病は、推定で年間約20億件とされており、西洋の先進国では推定で4~6人に1人がそのような病に苦しんでいるといわれています。一方、アメリカ合衆国では、食品由来の疾病によって年間5,000人が死亡し、経済的には1,620億米ドルの損失となっています。 

これらのデータが示す状況に対応しリスクを軽減させるため、食品業界は独立した認証機関への依存を高めています。これは訴訟や人々の健康を脅かす問題からブランドやビジネスを守るためだけでなく、内部の改善を推進し競争上の強みを確立するためでもあります。
  

トップから革新を推し進める

世界の製造及び小売トップ企業は2000年、主に食品安全基準及び認証の統一を推し進めるために団結し、グローバル・フード・セーフティ・イニシアチブ(GFSI)を結成しました。この動きの背景には、消費者の信頼度が低かった時期に食品安全の危機が多数見られたことがあります。 

専門家たちはそれ以来、GFSI関係者が定めた食品安全に関する問題に取り組むため連携しています。GFSIは国際標準化機構(ISO)と協力し、世界的に受け入れられる、管理可能なマネジメントシステムに基づく一連の基準やスキーム制定への動きを推し進めてきています。この基準の統一は、GFSIによる最も大きな2つの成果の1つであり、また食品安全を推し進める際のカギとなる革新であります。そしてGFSIのもう1つの大きな成果は、監査員の能力に注目したことです。

能力と一貫性

 しっかりとした監査が、食品安全に対する組織のコミットメントを支える一方、現在は監査を実施する側-つまり監査員自身-に、一定レベルの経験や専門知識が求められています。これは業界内で、「キャリブレーション(Calibration、目盛定め)」として知られています。 

しっかりとした監査や監査員のキャリブレーションは、どちらも監査プロセスの整合性を確実にするためにも非常に重要です。監査員のキャリブレーションにより、国境を越えた同レベルの監査を確実に行えるため、グローバルな組織にとってのメリットは明確です。つまりキャリブレーションによって一貫した方法による組織の監査報告が確実に行われるようになり、地理的な条件などに関わらず、事業が関連する基準やスキームに確実に沿うようになるのです。これによって組織としては安心感が高まり、グローバルな食品サプライチェーンとしての事業拡大につながります。 

この点について、カーギル(Cargill)のグローバル認証部長であるマーク・オーバーランド氏が支持しています。「我々は67か国にある1,000を超える工場で、FSSC 22000を本格展開しています。どの工場でも同じレベルの食品安全の確保が、顧客が期待する事なのです。」ここから分かるように、カーギルのような巨大組織が、チェーンの隅々に至るまで、サプライチェーンや食品安全へのグローバルかつ統合的なアプローチをとっているのです。

お客様のご要望に応じた監査

もう一つの展開は、食品安全の管理システムや自らのサプライチェーン確保に内部で改善を行うために、組織の要望に応じた第二者に監査を利用するケースが増えている点です。これにより組織は認証機関と協力して、オーダーメイドのマネジメントシステムを開発できるほか、広く認められている基準またはスキームに沿った監査だけでなく、企業独自のシステムやプロセスと業界のベストプラクティスを組み合わせた監査アプローチも開発できるのです。 

また、監査員のキャリブレーションも第二者監査プログラムの中心となっており、投資に対し大きなリターンをもたらすことができます。監査員とクライアントによる定期的な会合や研修を通じて、場所や監査員に関わらずシステムやプロセスが一貫した方法で確実に評価されるよう、両者が協力することになるのです。システムが時間とともにより強固となるのに加え、監査プロセスも効率性を追求し始め、更に研修や改善が必要とされる分野の特定も行われ始めています。 

世界有数の組織の中には、二者監査プログラムに取り組み始めた所もあります。監査は一定レベルをクリアした(キャリブレートされた)熟練した監査員が行い、組織に関連するあらゆる要件やプロセスをカバーします。その結果は、組織が改善を行えるよう明確に報告されます。 

マース(Mars)の品質・食品安全管理グローバル部長であるキャシー・スタナード氏は、最近以下のように語っています。「マースでは、GFSIが認めるスキームで定められた要件に沿った品質管理プログラムにより、一貫性がもたらされるとともに、効率性があがり、サプライチェーン全体で役立っています。」 

どのような方法、プロセス、システムが使われようとも、監査チームの専門性、経験、教育訓練、知識、洞察力次第で監査の最終的な整合性が異なってきます。グローバルな市場で働く今日の監査員は、キャリブレートされることだけでなく、業務を遂行するための適切なツール、つまり、継続的な研修や開発を必要としています。
食品安全マネジメントシステムに基づくアプローチは、グローバルな基準の統一や高い評価と相まって、グローバルな食品サプライチェーンに対する消費者の信頼度向上につながってきています。どのようなサプライチェーンにおいてもリスクは常にあるものですが、連携、信頼、革新、そして食品業界の模範的な組織がリーダーシップをとるこのアプローチは、問題を迅速に特定し解決する上で役立っています。 

効率性の向上を成功の主な指標として捉えてきた製造者や販売者は今、自らのサプライチェーンのリスクを管理するために、マネジメントシステムを組織の中心に据えています。食品に対する不安や経済の不安定性が続くこの時代において、これは重要な差別化要因であり、競争上の強みをもたらす源となりうるのです。



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