【自動車】セミナーレポート2013年10月28日開催「IATF 承認取得ルール 改定第4版の解説/いまさら聞けない自動車産業プロセスアプローチ」

LRQA TS審査員、セミナー企画・講師 日吉 信晴プロフィール
日系タイヤ会社にて新車向け営業、物流および品質マネジメントシステムの構築・運用を行った後、米国系半導体会社の日本工場にてシニアクォリティマネジャーとしてTS 16949システムを構築・運用してきた。著作に「QS-9000 Q&A 150問答」(共著)他、月刊アイソスにて有効性を重視したシステム運用、審査に関する記事を多数執筆している。米国品質協会(ASQ)監査部会、自動車産業部会メンバーとなっている。


セミナー様子2013年10月28日、東京 自動車部品会館にて、「ISO/TS 16949『IATF 承認取得ルール 改定第4版の解説』及び『いまさら聞けない自動車産業プロセスアプローチ』無料セミナー」を開催しました。本セミナーでは、LRQA TS審査員、セミナー企画・講師 日吉 信晴が、2013年10月に発行されたISO/TS 16949認証制度の基本ルールを定めた「IATF承認取得ルール第4版」改定のポイントについて解説いたしました。 



ISO/TS 16949 『IATF 承認取得ルール 改定第4版の解説』セミナー

2013年10月にIATF承認取得 ルールの改定第4版が発行 

ISO/TS 16949といえば、元々は米国ビッグ3の要求事項QS 9000や欧州各国の規格に、ISO 9001を組み合わせたものであり、欧米中心の規格というイメージがあるかもしれません。しかし、現在は、中国が日本の10倍以上となる19,000件以上の圧倒的な認証取得数を保持しています。インドやタイなどの新興国でも急速に認証取得数が伸びており、アジアパシフィック地域の認証取得数が全世界の60%以上を占めるようになっています。

こうした中で、2013年10月1日に、ISO/TS 16949認証制度の基本ルールを定めた「IATF承認取得ルール」の第4版が発行され、ISO/TS 16949がより厳しい認証審査制度となりました。

「IATF承認取得ルール」は、審査機関の審査活動を規定したルールとなっていますが、受審企業もこのルールを理解することが求められています。第4版への移行期間は2013年10月1日~2014年4月1日であり、今後順次第4版で審査を行い、4月1日までの完全移行が要求されています。

審査機関にも受審企業にも、漏れのない対応が求められる

まず、ISO/TS 16949の認証対象は自動車量産部品、補修部品を製造している会社ですが、今回、消火器、車両用ジャッキ、フロアマットが明記されました。また、製造工場に対する認証であり、ファブレスサイトは認証対象とはなりません。

第4版では、審査機関には“独立性に関する4つの脅威”、“受審機関からの異議・苦情処理のプロセスを設けること”などが明記されました。

受審企業に対しても、漏れのない対応が求められています。例えば、受審企業は審査前の契約時に、“組織の法的・商業的な状況”、“組織とマネジメントの状況”など、様々な変更を審査機関に連絡しなければなりません。もし、連絡が漏れた場合などは、認証取り消しになる可能性も記されています。 また、審査サイクルについても明確化されました。更新審査はステージ2・更新審査の最終日を起点として、3年後の「3ヵ月前から、プラス0日」の期間内に行わなければならず、このタイミングを超えた場合には、受審企業は初回審査(ステージ1、ステージ2)から再スタートの必要が出てきます。また、認証サイクルについても、3年間の有効期限前に新たな認証書が発行されなければならず、審査・認証サイクルには注意が必要となります。

ISO/TS 16949 国別認証取得数


サイトエクステンションが廃止、すべて単独サイトとして認証が必要

審査工数については、製造における審査時間は少なくとも総審査日数の1/3であることが明記されました。また、エンジン部品の製造工場では、自動車以外にも航空宇宙向けの部品を製造しているところもあるでしょう。その場合、“関連するオーバーサイトオフイスからの承認を受けている”など、いくつかの条件を満たすことで、審査工数を削減することができます。これは、ルール変更ではありませんが、改めて確認されることをおすすめします。

また、重要なのが、条件を満たすと分工場などで審査工数削減が認められていたサイトエクステンションが適用されなくなったことです。これまで適用されていた分工場は、今後単独サイトとなり、ステージ1は要求されないものの、更新審査工数を適用した初回審査から行わなければなりません。


初回審査からの再スタートにならないために

審査機関が審査計画作成時、受審企業は前回審査以降の顧客・内部パフォーマンスデータ、顧客満足度、苦情の要約、新規顧客の状況など、様々な情報を提供する必要があります。これは審査機関からご連絡させていただきますが、もし提供されない場合には、オープニングミーティング開始前にそれらの情報収集を行う時間を設けなければなりません。

“更新審査が中断されたため別の更新審査を受けたが、その期日を超えてしまった場合”、“不適合があった受審企業がクロージングミーティングから90暦日以内に、是正処置の実施、有効性検証を審査機関に受容してもらえない場合”などには、初回審査からの再スタートが必要となります。このように、要求事項が厳守できない場合、初回審査が必要なケースが多くなっていますので、これまで以上に注意が必要といえるでしょう。気になる点がある方は、お気軽にご相談ください。


初回審査からの再スタートにならないために


『いまさら聞けない自動車産業プロセスアプローチ』セミナーレポート

各プロセスで顧客の満足度を高めなければならない自動車産業 

続いて、ISO/TS 16949を新しく担当される方や、改めて内容を理解したいという方へ、「いまさら聞けない自動車産業プロセスアプローチ」を解説いたしました。

プロセスアプローチとは、顧客からの要求(インプット)をもとに、製品をつくり(プロセス)、最終的に顧客に提供して満足してもらう(アウトプット)までの一連のプロセスを明確にするとともに、プロセス間の相互関係を把握・管理するものです。

どんな業界でもプロセスアプローチは適用できますが、自動車産業の場合には、顧客志向プロセス(COPs)といい、サプライヤーは自動車メーカーに製造部品を納品するまでの間に、見積り・設計・製造など各プロセスにおいて、インプット・アウトプットを繰り返します。ですから、一般的には納品物さえよければ途中のプロセスに多少不備があっても問題ない場合が多いかもしれませんが、自動車産業の場合には、すべてのプロセスで不備がなく、顧客が望む成果を生み出していく必要があります。


プロセスマップ・タートル分析の効果を高めるために

自動車産業では、製品不良を削減するための“有効性”、時間・コストを削減するための“効率性”を指標として、タートル分析などを行いながらKPI達成を目指していると思います。各プロセスで“どんな装置・作業方法が効果的か”といったことも見えてくると思いますが、必ずしも望んでいる成果が生まれていないというケースもあるようです。

こうした場合には、プロセスマップやタートル図において、“プロセスの数が多すぎて、各プロセスで記述された「言葉同士の関係」が理解できなくなっていないか”、“タートル図に有効性・効率のKPIが含まれているか”といった点を改めてチェックすることをおすすめします。

ISO/TS 16949の受審企業の中には、推進事務局の世代交代などが原因で、“ノウハウが伝承されていない”、“システムが効果的に機能していない”といったケースも見受けられます。LRQAでは、このような企業の方々へISO/TS 16949について改めて基礎から理解・実践していただくための「いまさら聞けないセミナー」を順次開催予定です。どうぞご期待ください。


プロセスマップ・タートル分析の効果を高めるために

LRQAでは、自動車産業を様々な視点からサポートしています。

LRQAでは、ISO/TS 16949の審査をはじめとして、自動車産業を多角的にサポートしています。

すでにISO 26262(自動車の機能安全規格)については、自動車安全のエキスパートであるMIRA社と共同でトレーニング・運用支援・監査・認証審査をスタートしています。また、グローバル調達・サプライヤーの海外移管などで重要となる二者監査のセミナーも開催しており、グローバルな二者監査を行ってきた講師陣により、LRQAのノウハウをお伝えいたします。

自動車産業において貴社が躍進するために、LRQAの自動車産業向けサービスを、ぜひご活用ください。


LRQAでは、自動車産業を様々な視点からサポートしています。

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