【品質/環境】規格の統合

Insight 第1号 | 2014年 

ISO規格全般に共通用語を用いることで、最良の統合マネジメントシステムの実現に大きく前進することになるでしょう-これまでの進捗状況と今回の改定が市場全体にもたらすと思われる影響についてご紹介します。

世界のISO 9001/14001登録件数

統合に向けた改定

厳しい経済情勢が続くなか、組織は効率性向上を目指し、少ない労力でいかに多くのことを成し得るかに力を注いでいます。マネジメントシステムもまた、システムの運用に必要な内部資源を節約しながら、アウトプットの価値を高めることに重きを置く企業からの圧力と無縁ではありませんでした。現在進められているISO 9001(QMS:品質マネジメントシステム)およびISO 14001(EMS:環境マネジメントシステム)の改定作業は、統合マネジメントシステムの構築と認証をこれまでより容易にすることで、他の諸規格と同様、組織に効率の向上をもたらすことになるでしょう。

国際標準化機構(ISO)の規約の下に、マネジメントシステム規格(MSS)は5年ごとに改定されています。この(5年ごとという)改定は、国際規格の適用可能性と妥当性を確実にするよう設定されており、製品、サービス、およびグッドプラクティスのため最高水準の仕様を提供し、産業の効率化および成果の向上を支援しています。世界的な合意を得て策定されることにより、国際貿易障壁の打開を後押ししています。世界で最も知られている規格に数えられるISO 9001とISO 14001についても、現在改定が進められています。

過去数年で、マネジメントシステム規格や、様々な領域をカバーするセクターに特化した規格が増えており、その内容は、品質という基本項目から、環境、健康および安全、エネルギー管理、事業継続性、さらにその先まで広がっています。そして、規格が増えるにともない、統合へと向かう動きも生まれてきました。

各種規格に記載されている要求事項が、同じ内容であっても表現が異なっているというケースも散見されました。このために、要求事項がそれぞれ違った形で解釈され、様々な規格を統一的なマネジメントシステムに統合することを困難にしています。そして組織は、規格が採用している言語や用語の中で、何が同じで何が違っているのかを見きわめるために、外部の支援を必要とする状況に至っています。 

通常の改定手続よりも、この問題に対応することが必要と判断したISOは、ISOガイド83(ISO Guide 83)を起草して、これを基に附属書SL(Annex SL)を正式に採用、公開しました。


附属書SLによる章構成

全体は10章で構成され、表現は個々の規格で想定されている利用者に合わせたものとなっています。

  1. 適用範囲
  2. 引用規格: ここでは、規格特有の表現のほか、想定される成果も記載
  3. 用語及び定義: 附属書SLで概説した共通用語および中核となる定義、ならびに、当該規格の分野に固有な用語および定義
  4. 組織の状況: 当該規格を導入する組織の状況、利害関係者のニーズおよび期待の理解、適用範囲および当該規格の要求事項 
  5. リーダーシップ: トップマネジメントが示すべきリーダーシップおよびコミットメント、当該規格に関する方針、ならびに組織の役割、責任および権限
  6. 計画: リスクおよび機会への取り組み、当該規格の目的およびそれを達成するための計画策定
  7. 支援: 該当する規格で必要となる資源、人々の力量および認識、コミュニケーションおよび文書化した情報
  8. 運用: 運用の計画および管理
  9. パフォーマンス評価: 監視、測定、分析および評価、内部監査およびマネジメントレビュー
  10. 改善: 不適合、是正措置および継続的改善

附属書SLの導入 

附属書SLとは、マネジメントシステム規格全体の枠組みを規定することにより、同一の標題を持つ箇条では可能な限り整合性のある文言を使用し、箇条の順番、定義および文言をできる限り統一することを確実にするものです。始めの内は、組織にはわずかな変化しか現れないでしょう。しかし、マネジメントシステムの変更作業が進むにつれて、その影響は徐々に現れ、やがて、システムの構造や内容の整合が進むことになります。また、これにより、新しい規格が導入された時に、利用者は内容の多くを直ぐに把握することができ、また、その規格に独自のものも理解し易くなります。

 ISOでは附属書SLを2012年に採用し、これに合わせて、改定された章構成を用いた新しいマネジメントシステム規格(例えば、イベントサステナビリティに関するISO 20121)を発行していることから、LRQAでは、今後新たに発行される全てのISOマネジメントシステム規格の改定版はこの章構成に準拠し、品質および環境も含め、現行のマネジメントシステム規格も次回改定でこれに追随することになると見ています。

タイムラインについては、いまだ推測の域を出ないものの、ISOが2014年から2015年には合意および定式策定に到達し、品質および環境び2つの規格も、その1年後には発行されるものと予測しています。

LRQA代表取締役社長マイク・ジェームスの引用

附属書SLが意味するもの

一見すると、附属書SLは、規格策定作業を容易にするためのものと思われがちですが、実際は、異なるマネジメントシステムで共通の表現が使われることの真価を組織が理解し評価するようになれば、組織が、ひいては消費者こそが、真の受益者となっていくことでしょう。

附属書SLにより提示された構造が、マネジメントシステム規格の統合を後押しするとともに、複数の拠点、地域的な広がり、多くのサプライヤーを擁している組織に対しても、組織に便益と効率の向上をもたらします。

より深いレベルでは、ISO 9001の改定がもたらす成果を考えた場合、マネジメントシステムと製造・サービスの質との関連がより強化され、「品質におけるリーダーシップ」に関するシニアマネジメントの責任範囲が広がったことによって、利用者の信頼性が高まり、また、認証・認定機関の責任向上にもつながっていくと、LRQAでは見ています。

LRQAの審査員は今後も、組織のマネジメントシステムを包括的に把握するよう努め、関連規格やスキームへの適合性確保を基盤として、組織の戦略目標に直接リンクする審査アプローチを強化していきます。 組織内部の効率向上と、内部リソース削減につながる現行の規格改定作業は、おそらくマネジメントシステムの規格の歴史において最も重要な出来事となるでしょう。


LRQAは現在、ISOが進めている改正プロセスにも関与しており、マネジメントシステムおよび適合性評価の分野において、規格とそれに関連するガイダンスの策定、改善に世界各地で大きく貢献しています。認証に対する国際機関である独立国際審査登録機関機構(IIOC:Independent International Organisation for Certification)への参加により、産業界においても発言力を持つLRQAのエキスパートたちは、特に、世界を牽引する3つの主要マネジメントシステムであるISO 9001、ISO 14001、ISO 45001(労働安全衛生に関する規格OHSAS 18001を改正)の国際技術委員会すべてに、積極的に参加しています。


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