【アセット】セミナーレポート:アセットマネジメントシステムISO 55001無料セミナー

アセットマネジメントシステムISO 55001セミナー2015年1月30日、東京 都市センターホテルにて、「アセットマネジメントシステムISO 55001セミナー」を開催いたしました。本セミナーでは、京都大学経営大学院・インフラ経済学担当教授であり、国土交通省国土審議会、社会資本審議会、交通政策審議会委員など、日本国内におけるインフラ分野の第一人者である小林 潔司教授をお招きし、2014年1月に発行されたISO 55001 アセットマネジメントシステムの発行までの経緯と概要、組織に与える影響、ISO 55001:2014での要求事項等についてご理解いただくとともに、組織の円滑なアセットマネジメントシステム導入を支援するLRQA ジャパンのサービスについて解説しました。

【講師 プロフィール】

小林 潔司 氏 京都大学経営管理大学院 教授

小林 潔司 氏 

京都大学経営管理大学院 教授

京都大学大学院工学研究科修士課程修了。博士(工学)。京都大学助手、鳥取大学助教授、教授、京都大学大学院工学研究科教授を経て、現在、京都大学経営大学院・インフラ経済学担当教授であり、同時に京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻・計画マネジメント論教授を併任している。京都大学経営管理大学院長を経て、現在、同付属経営研究センター長。国土交通省国土審議会、社会資本審議会、交通政策審議会委員、土木学会論文集編集委員長、米国土木学会副編集委員長、応用地域学会会長、グローバルビジネス学会理事長、日本学術会議連携会員、IIASA、OECD、WB研究員などに就任。

Regional Science Association International Fellow, ベトナム国家教育功労章授章。

著書にKobayashi, K. et al, Joint Ventures in Construction, Vol.1, Vol.2, Thomas Telford, 2009, 2011, Kobayashi, K. et al. Social Capital and Rural Development. Edward Elgar, 2013など。 

景井 和彦 LRQA ジャパン テクニカルマネジャー


景井 和彦 

LRQA ジャパン テクニカルマネジャー

大学工学部にて社会工学専攻後、エンジニアリング会社にて、都市開発および不動産開発事業および工場生産ライン建設部門に従事。ISO9001審査員として14年の経験を持ち、 品質管理学会会員、アセスメント協会東京会員でもある。  


  • 「予防修繕・保全」により、サスティナブルなアセット管理を実現するISO 55001

アセットマネジメントとは、広義には「限られた予算を社会資本に最適に配分することにより、それに求められている価値およびサービスレベルを維持すること」と定義され、アセットマネジメントシステム(AMS)とは、その目的を達成するための予算および資産価値の管理システムを総称します。

AMSが社会的な必要性を認知された背景には、1980年代に米国で頻発した落橋事故、および世界銀行の融資で建設されたインフラの荒廃が1994年に年次レポートで指摘され、国際融資機関が融資の条件にAMSの導入を義務づけたことが挙げられます。それを背景に、インフラのメンテナンスとリハビリテーションを制度的に行う必要性が唱えられ、米国では予防修繕によりライフサイクルコスト費用が非常に圧縮されるという反省から、アセットマネジメント研究が本格化しました。日本においても、2012年の笹子トンネル事故以降、国土交通省が地方自治体に対してインフラの点検・整備を義務づけるなど、アセットマネジメント環境の整備が急加速しています。

AMSへのニーズが国際的に高まる中で、既に世界の多くの地域で採用されていた英国規格協会の公開仕様書PAS 55(アセットマネジメント)をベースに、公共的・公益的な社会インフラおよび民間の物的資産のすべてを対象とするAMSの国際規格ISO 55001が2014年1月10日に発行されました。

各種インフラや施設の保有または管理がビジネスの中核となるような組織が、様々なリスクに対応しつつ、組織の資産管理体制の構築、実施、維持、改善のための要求事項を規定するISO 55001の活用により、老朽化により維持管理問題が取り上げられる国内のインフラや施設の保全・維持管理事業を補完し、民間企業の動産・不動産管理や運用業務のパフォーマンスを向上させ、優れた維持管理の仕組みや技術を証明することで国際的なインフラビジネスを優位に展開することが期待されています。

  • 全体最適の視野から組織のPDCAサイクルを強化 

たとえAMSが不在でも、アセットの維持管理業務は、毎年、組織の決定した予算に基づいて執行されています。計画に基づいて補修が行われ、その状況を監視して補修方法を改善するPlan-Do-Check-Actionのサイクルが機能しています(実施レベル)。

しかし、アセットのサスティナブルな維持管理を図るためには、経時変化などのライフサイクル的視野から予算配分を決定し、中長期的に維持管理のためのマネジメントサイクルを回していく必要があります(ミドルレベル)。

さらに、維持管理のためのマネジメントサイクルを継続し、管理水準を維持するために経営方針の決定と経営状況の管理、そして改善によりサービス水準を持続的に向上させるためのロジックモデルが必要になります(トップレベル)。

ISO 55001が狙いとするのは、組織内にロジックモデルおよびAMSを活用した維持管理マネジメントの枠組みを確立し、組織のトップレベル、ミドルレベル、実施レベルが全体最適を図りながら連動する階層的なマネジメントサイクルを構築し、アセットのサスティナブルな維持管理とAMS全体の継続的な改善を実現していくことにあります。

  • リスクとコストのバランスを追求するアセットマネジメント

ISO 55001:2014では、アセットを「組織にとって潜在的あるいは実際に価値のあるもの」と定義し、その価値を実現するためにアセットのパフォーマンス、コスト、リスク/機会のバランスを取り、AMSのパフォーマンスを継続的に改善していてくことを求めています。

アセットマネジメント

すべてのISOマネジメントシステム規格に共通して採用されるAnnex(附属書)SLに基づき、Plan-Do-Check-Actionの各プロセスに沿って各要求事項が構成されていますが、ISO 55001の理解のために特に重要となるポイントは次の通りです。

Planの段階においては、「箇条4:組織の状況」で全体のシステムと個々の取り組みとの整合性を明確にする戦略的アセットマネジメント計画(SAMP)を策定することを要求し、「箇条5:リーダーシップ」において組織トップによる責任と権限の明確化とコミットメントを促すことで、AMSの階層的性格を調整し、組織全体のPDCAサイクルを補完しています。

また、「箇条6:計画」においては、組織が取り組む必要があるリスクと機会を明確に規定することを要求し、AMSを補完する「箇条7:支援」においても「7.5情報に関する要求事項」で、利害関係者から要求される財務、非財務、技術情報の整合性とトレーサビリティを明確にすることが求めています。これらの要求事項は、本来、AMSが経時変化も含めたリスクをシステムの中で顕在化させ、それに対する具体的なパフォーマンス目標や維持管理の方法を設定し、継続的な改善に取り組むことで効果的な業務管理に繋げるためのシステムであることを把握すれば、取り組みやすいと思われます。

同様に、「箇条10:改善」では、「10.2予防処置」の項目にて「アセットのパフォーマンスにおける潜在的不具合を事前に特定するプロセスを確立し、予防処置の必要性を評価する」ことが要求され、経時的に顕在化するリスクにも対処して継続的な改善を図る仕組みを作ることが求めています。

米国で頻発した落橋事故の修繕費用が非常に多額だったという反省を踏まえて発展したAMSは、予防的な保全・修繕を施すことによってアセットのライフサイクル的なコストの軽減に寄与するという前提に立っています。ISO 55001も事前対応に軸足を置いて設計されていますので、これを活用して組織の目標に対して継続的に改善の機会を見出すAMSの構築にお役立ていただければ、幸いです。

ISO 55001:構成


  • 組織のマネジメント目標に確信を与えるLRQAのサポート

ロイド レジスター グループは、ISO 55001:2014のベースとなった公開仕様書PAS 55(アセットマネジメント)規格の開発、2008年版での改定、ISO 55000シリーズの発展において、常に主導的な役割を担ってまいりました。既に世界中で60社以上の組織にアセットマネジメント審査認証サービスを提供し、組織の事業目的・目標達成に確信を与えるビジネス アシュアランスの審査手法は高い顧客評価を獲得しています。

ISO 55001:2014の発行により現行の資産管理規定であるPAS 55は2015年中頃までに廃止され、ISO 55001への移行審査が加速していくものと見込まれます。LRQAジャパンでは、組織のマネジメント目標に課題解決的視野から取り組むビジネス アシュアランスの審査手法をISO 55001審査に引き継ぎ、組織の目的に最適化されたサポートを提供してまいります。お気軽にご相談をいただきますよう、お願い申し上げます。

  • LRグループのASSET Management 認証実績

ロイド レジスターグループではPAS 55およびISO 55001の認証を下記の組織に提供しております。

  • Anglian Water
  • Wessex Water
  • Central Networks (the electricity distributor for the Midlands)- NOW WPD
  • Dublin Airport Authority
  • EDF Nuclear Generation UK
  • Elenia (Finnish Electricity Distribution)
  • E-On Power Generation UK (one of the largest generators in the UK)
  • ESB GO (Power Generation Ireland)
  • ESB Networks (the Irish Electricity Supply Board)
  • East Surrey Pipelines (a gas distributor)
  • Fingrid (Finnish Electricity Transmission) 
  • Gatwick Airport
  • National Grid Electricity Transmission
  • National Grid Gas Transmission
  • National Grid Gas Distribution
  • National Grid Gas Metering 
  • National Grid LNG Importation Grain (Initial Certification)
  • Northern Powergrid 
  • Pacific Gas and Electric (California)
  • Scottish Power Energy Wholesale (Generation)
  • Stansted Airport
  • Statnett (Norwegian Electricity Transmission Operator)
  • TNB (Malaysian Electricity Transmission)
  • UK Power Networks (the electricity distributor for London, the South East and East Anglia
  • Western Power Distribution (the electricity distributor for South Wales and the South West)

お問合せ

ロイド レジスター クオリティ アシュアランス リミテッド
LRQA ジャパン
マーケティング チーム  
Tel: 045-670-7447 Fax: 045-682-5289 
E-mail:   LRQA-Japan-Marketing@lrqa.com